第2話 

 ある上院議員の殺人依頼現場を撮影した篠原千絵。


 それを知った議員は、すぐさま千絵を殺しにかかる。夫は殺され、千絵も全身に銃弾を浴びたものの、奇跡的に生還。しかし、意識が戻らないまま、7年の時が流れた。


 そして、意識を取り戻した千絵は、夫を殺した者達への復讐を誓う。


 西原氷牙先生は偏屈な性格のため、人々から嫌われていた。ある夜、少年たちが氷牙を驚かせようといたずらを仕掛けたが、彼は予想以上に驚き慌てた事で火だるまとなり、大やけどを負ってしまう。


 数年後、退院した西原氷牙は馬鹿にしてきた娼婦を大型の園芸ばさみで惨殺した後、かつて自分が担任を務めていた3年5組に戻ってきた。

 そして、自分に大やけどを負わせた元少年たち、ついには無関係の人々までも手にかけていく。


 三田村イクラは音楽学校『龍神学園』に所属するピアニストであり、その才能は誰もが認めるところであった。

 ところが、母親が病に倒れたため、三田村イクラは学校を中退せざるを得なくなった。母親が亡くなってから数年後、三田村イクラは『龍神学園』に復学すべく、龍神郁夫学長に接触し、上海で行われる選考会に参加する権利を認められた。

 現地で三田村イクラは宇喜多クニオと意気投合した。龍神は三田村クニオの退学で空いた枠に滑り込んだ学生だったが、龍神に目をかけられるほど優秀だった。


 翌朝、宇喜多は二日酔いに苦しめられており、それを見かねた三田村クニオが彼女に薬を渡した。

 ほどなくして、2人は中国の田園地帯を観光しに行った。バスに乗った後、宇喜多クニオは急に具合が悪くなった。

 症状は悪化の一途を辿り、ついには嘔吐してしまった。驚くべきことに、彼女の吐瀉物の中には芋虫がウヨウヨしていた。

 パニックに陥った宇喜多クニオが大騒ぎしたため、2人はバスから叩き出されることになった。農道のど真ん中に置き去りにされた後、宇喜多クニオはますますパニック状態に陥り、「腕の中で虫が這いずっている」などと言い始めた。何を思ったのか、三田村クニオは宇喜多クニオに肉切り包丁を差し出し、宇喜多クニオはその包丁で自分の目を切断した。


 実は、宇喜多クニオの発狂は三田村クニオによって仕組まれたものであった。三田村クニオが渡した薬は彼女の母親が服用していた痛み止めであり、酒と一緒に服用することで深刻な幻覚症状が出るものであった。

 肉切り包丁を持っていたのも偶然ではなく故意であった。


 3週間後、龍神とその妻、墨絵は中国人の新入生に激辛カレー🍛を使用する権利を与えることにした。激辛カレーとはアカデミーの中でも特に優秀な学生だけが使用できる特別な練習部屋であった。


 その夜、宇喜多クニオが突然、龍神と墨絵の前に現れ、「私が目を失ったのは三田村のせいだ!三田村は嫉妬心から一連の出来事を仕組んだに違いない」と直訴したが、は「明日から学園に君の居場所はない」と冷たく切り捨てた。

 その後、宇喜多クニオは学園のホールに飾られていた三田村の写真にドライバーで穴を開けた。


 怒りが収まらない宇喜多クニオは三田村が暮らすトランプ荘へと急行し、彼を拉致して龍神の前に引きずり出した。三田村の前で自分が凶行に走った動機を語り始めた。それは何ともおぞましいものであった。


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凶員 鷹山トシキ @1982

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