第4話 おそるべしカクヨム! 新機能「予約投稿日時表示」のワナ
今回は滅亡じゃなくて、カクヨムが今後さらに発展するよってワナの話です。
いつも楽しんでるエッセイ(通称「宇部ッセイ」https://kakuyomu.jp/works/1177354054887527530/episodes/16818023213228676656)で、カクヨムの新機能が話題になりました。「予約投稿の予定日時が表示できるようになる」という機能です。
そのエッセイではタイトルからして「必要だった?」と懐疑的(笑)。応援コメントでも皆さん「いらねー」「もっと必要な機能あるでしょ」と総スカンでした(笑)。
これ本当に必要な機能なの? 皆さん、そう思うでしょう……カクヨムを愛用している「作者様」なら。そう、これは作者様にとってのワナなのです! ジャーンジャーン!!
さて、この機能は文字通り「予約投稿の予定日時が表示できるようになる」もので、機能の「オン/オフ」は設定できます。デフォルトでは「オン」です。告知の文面はこちら。
~~引用ここから~~
【事前告知】予約投稿の日時が表示できるようになります
エピソードの予約投稿日時を読者に表示し、今後の更新を予告できる機能をリリースする予定です。
機能リリースに先行して、作品ごとに予約投稿の日時表示のON/OFF設定をできるようにしました。
・この機能のリリースは2024年2月26日を予定しています
・初期設定は今後新たに作成する作品も含めて、すべて「表示する」になっています
・予約日時を表示したくない場合、手動で設定を変更してください
~~引用ここまで~~
はい、これがひとつのワナ。作者様側に立って書いてるので、こうなりますが、実はこれは、正しくはこう表記すべき機能なのです。
「予約投稿の予定日時が表示されるようになります(オフにもできます)」
何でなのかを説明する前に、まず、この機能のメリットについて書いてある部分を告知文から引用します。
~~引用ここから~~
投稿予約日時を表示することで、読者はお気に入りの作品の更新タイミングを知ることができます。 読者は次回更新の日時を具体的に把握し、作品を楽しみに待つことができます。作者は読者に更新タイミングを知らせることで、続きを読んでもらいやすくなります。 ぜひ、ご利用ください。
~~引用ここまで~~
以上のメリットに番号付けて箇条書きにした上で、途中を削除してメリットを分かりやすく整理します。
(1)読者はお気に入りの作品の更新タイミングを知ることができます
(2)読者は~~中略~~作品を楽しみに待つことができます
(3)作者は~~中略~~続きを読んでもらいやすくなります
お分かりになりましたか? メリット3つのうち、作者にとってのメリットは1つだけ。それも順番的には一番後回しにされています。3番のメリットも、実は読者側からの表記にすることができます。こうです。
「読者は次回更新のタイミングを知ることで、続きを読みやすくなります」
そう、この機能、実は徹底的に「読者向け」の機能(サービス)なんですよ。それも、どちらかというとディープな読み専様向けの。
ライトな読み専とか、兼業読者(変な表現ですが)だったら、告知機能で更新されてるのを見つけて読むくらいでしょう。いちいち続きを楽しみにして待っててくれたりはしません。楽しみに待っててくれるのは、「カクヨムサポーターズパスポート」とかで広告を消したり、ギフトを贈ってくれるような熱心な読者様でしょう。
そうです、この機能は「カクヨムサポーターズパスポート」を使うような「ディープな読み専様」向けの機能なんですよ。
さて、ここで現在のカクヨムの収益源は何かを考えてみましょう。ひとつは広告ですね。この収益がカクヨムの運営費やロイヤルティプログラムの作者配当の原資になります。
そして、もうひとつが他ならぬ「カクヨムサポーターズパスポート」の料金です。読み専さんがパスポート買ってくれたお金が運営費やギフトとして作者様に支払われる配当の原資になります。
そしてもうひとつ、ここで最初期からカクヨムに居る年寄りとして、ちょっと昔の話をしてみましょう。
かつて、初期のカクヨムには「読者がいません」でした。大真面目です。「書きたい」作者様ばっかり居て、読んでくれる読者様がいなかったんです。★がつかないどころか、PVすら回らなかった。みんな書くことに忙しくて他人の作品読んでる余裕が無かったんです(笑)。
そのうち「自主企画イベント」が実装されました。作者同士が読み合いをする環境が整ったのです。他人の作品を読んで交流する作者様が増えました。でも、まだ読者様はいませんでした。
読者様が増えてきたのは2019年くらいからかなと思います。コロナでさらに増えたような気はします。そう、ロイヤルティプログラムとカクヨムサポーターズパスポートが実装された時期なんです。
その頃、ようやく「カクヨム」は小説投稿/閲覧サイトとして作者様も読者様も揃ってきたということだったんですよ。
カクヨムの開始は2016年。それ以来8年にわたって、作者様向けの改良は続けられてきました。
その一方で、最近の改良はこうなります。
2024年1月11日
フォローしている小説の更新状況を週に1回通知できるようにしました
2023年11月28日
作品ページをリニューアルしました
これ、実はどちらも「読者様」にとって便利になるような改良なんですよ。今回の改良が第三弾ですね。
そうです、今のカクヨムは「読者様」のための改良を進めているところなんですよ。それは何でか?
「カクヨムサポーターズパスポート」を使ってくれるような熱心な読者様を増やしたいから!
……だとは思いませんか?
この3つの改良、ぶっちゃけ「作者様」のポジションだと「どうでもいい」改良です。「いらねー」「別の機能付けて欲しい」と思うのも当然です。
でも、それで読者様が増えてくれたら、それはそれで作者様にとっても利益があります。
さあ、思い出してください、昔のカクヨムを。読者様がいなくて、読み専様なんか無茶苦茶貴重で、PVも回らなければ、★なんか全然つかなかった頃を。
今は、読み専様、結構いらっしゃいます。@とアルファベットだけのアカウント表示だけで、それをクリックしたユーザーページには作品の掲載が無くてフォローしている作品や作者様が載っているだけの、♥や★をくれる方々が大勢いらっしゃるんですよ。
小説投稿サイトとして、むしろ健全化してきているんですよ。サポーターズパスポート参加者が増えてくれたら、ギフトくれる読み専様も増えるんですよ。もしかしたら、あなたの作品を読んで★だけでなくギフトまでくれるかもしれないんですよ!
作者の皆さん「いらねー」とか言わないでくださいね。
別にオンにしておいたって大して問題ないならオフにしないでくださいね。
それで「読者様」が少しでも増えるなら、「サポーターズパスポート」が少しでも売れるなら、それはカクヨムにも作者様にも返ってきます。
そう、これはカクヨムが発展するための策なのです。作者様視点だけで「いらねー」とか言っちゃうのは孔明のワナですよ。
「げえっ、サイト閉鎖!」ジャーンジャーン!!
とかにならないように、カクヨム発展のために、温かい目で見守ってあげてくださいね。
ロイヤルティプログラムのワナ 結城藍人 @aito-yu-ki
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