第一章

第1章

日本の深夜。


太陽の光は消え、月の光が人々の影を薄く映し出す。


ビルの屋上に、一人佇む人影


耳につけた無線のイヤホンから指示が入り動き出す。


「そこから北北西にある商店街の地下が、例の取引の現場だ。」


「了解…すぐに向かう。」


通信を終えるとビルの上に立ち、左目に力を込める。


紫色をした左目は、透視能力がある。


これで、場所を特定するのだ。


確かに、北北西の方角に人影がある。


ここから、約2キロ前後だろう。


私は、もう一度フードをかぶり直すと、全身の力を抜き、ビルの上から飛び降りた。

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