第9話『三つの願い』

「そう。私はキッチンの精霊よ。Gの付く虫をすっかり追い払ってくれたお礼に、貴女あなたの願いを3つ叶えましょう」

『じゃあ、パパが会社でした発注ミスを帳消しにして』

「え」

『納豆6万パック』

「ええ!?」

『あとママの肌年齢を20代にして。お姉ちゃんには、喧嘩した彼氏と仲直りさせてあげて』

「が、頑張るわ。どれも難しそうだけど。にしても家族のことばかりね」

『これも恩返しよ』



「はあ? 一緒にいたのは妹? 嘘じゃないでしょうね〜!」

「……おお怖っ。けどあの電話の様子ならじきに仲直りね。パパの方は結局?」

「おとがめなし」

「朝の情報番組様々ね。ちょうど納豆の美容効果特集だなんて」

「誤発注した分が完売だもんな。……って、ん?」

「何」

「今すっぴんだよな?」

「ふふ。気付いた? ツヤツヤでしょ。納豆効果かしらね」

「はい、ヨリを戻しました〜っと。施設でお前を引き取ってから、ウチでは何だか良いことばかり。ありがとね、ミケ」

『にゃあ』

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