第24話 紅葉狩りとプロポーズ
秋もすっかり深まった頃、私達は文化祭の準備に追われていました。そういえば彼のクラスでは何のお店をやるのか気になっていた。けど、だからって彼に直接聞く訳にもいかないから今は自分のクラスの事に集中しないと!
「結衣、悪いんだけど私の所手伝ってくれない?人手不足だから全然作業が捗らなくて困ってるんだよ(´・ω・`)」
「今行くから待って!」
私のクラスはお菓子の国をテーマにしたスイパラ風のお店。甘いものから苦いものまで何でも揃えるという斬新なものになった。女子は賛成していたから良いけどもちろん男子は最初は凄く反対していて、生徒会に提出する書類の期限ギリギリに決まったので最終的には生徒会に私が提出しに行った結果、九条先輩にみっちりとお小言を言われ黒霧先輩にも毒を吐かれてしまった。
「佐々木さん、いつも遅くまで準備に参加しているなんて偉いね(^^;)」
「いえ、これくらいの事出来なくてどうするんですか(^^;)それに茜がいつも私と残ってくれるから、私もなんやかんやで残れるんですよ(⌒∇⌒)」
「そうだね(⌒∇⌒)僕も手伝うから何かあれば言ってね。」
一ノ瀬先生は本当に優しくて頼れる優しいお兄ちゃん的な存在。天然な所もあるけどやる事はしっかりこなして、生徒の助けにも入る青年の様な顔立ちとフワッとした性格から女子生徒から人気を誇っている。
準備も殆ど今日の分を終わらせた私達は、今日の所は帰る事にした。というのも、彼の一声で最終下校時刻を過ぎている事に気が付いたからであった。
「二人とも熱心なのは良い事ですが、もう最終下校時刻を過ぎているので帰った方が良いのではありませんか?」
「あ、ほんとだ!結衣、帰ろ?」
「う、うん。でも私はまだ残るよ。」
「でも!」
「大丈夫、真山先生が見張りでいるから残っても他の先生には何も言われないから(^^;)」
「そう?なら、先に帰るね(⌒∇⌒)」
土曜日になって私と彼は急な彼の提案で、近くの紅葉狩りスポットにやってきた。何故に今この時期にと思うかもしれないが、きっと彼には彼なりの考えがあるのではないかと薄々勘付いていた。
「結衣、お前はこの場所がどのくらい有名か知っているか?」
「いえ、全然(^^;)でもここに来るにはまだ早くないですか?紅葉も全然進んでないですし、真っ赤に染まっていないという事からか人も居ないですし。」
「・・・この場所は縁結びの場所として有名な場所で、カップルが多く来ている事もあるらしい。」
「そうなんですね!何だか微笑ましい光景ですね(⌒∇⌒)私達もこれから先の未来も一緒に紡いでいけるんですかね?」
「その答えは今から証明してやる。」
すると彼は膝付き、私に小さな箱を見せ開けると小さなダイヤの指輪が入っていた。
「どんな事があろうと俺がお前の傍で・・・結衣の傍で守ってやる。お前のご主人だ様は俺だけだ。俺がこの先もずっとお前と居てやる。・・・この俺と結婚してくれないか?」
「恭一郎さん///・・・はい、喜んで(⌒∇⌒)」
月曜日、私がクラスに行くと茜が走ってきて抱き着いてきた。どうやらプロポーズの件を風の噂で聞いたらしい。
「結衣、おめでとう!良かったじゃん!」
「まあね(⌒∇⌒)あの彼からあんな事を言われるなんて思っていなかったけど、これでこれからもずっと一緒に居られるんだね!」
「藤城学園卒業したら、結婚式でもするの?」
「その前にちゃんと学業をこなせって彼にきつく言われてるから、まずは成績を良くしないと(^^;)」
「そうだね(^^;)」
初めて出会ったときは印象が最悪で、怖いイメージしかなかった恭一郎さん。でも段々彼を知るうちに、もっと彼と居たいと思える様になったのはいつからだっただろう。彼は根は真面目だけど中身はドSの王子様。そんな彼をこれからも愛していけるし、私だけしか知らない恭一郎さんの素顔をこれからも見れる優越感。私は彼と未来永劫側にいる事を、彼がくれた婚約指輪に優しくキスをして誓った。
真山恭一郎との秘密の恋 月猫 @tukineko-neko
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