第19話 真山先生と冷やし素麵大会

 私達の関係上、あまり外出出来ない為殆ど家で過ごす事が多い真山先生と私は今日も家で仲良く過ごしています。

「そういえば恭一郎さんのご実家から、大量の素麵が送られてきているって前に言っていましたよね?なら、今日一日のご飯は冷やし素麵にでもしませんか?」

「それも良いが、ただ普通に作るだけでは普通の食事だ。結衣は何か良い方法でもあるのか?」

「そう言うと思ってこっそりお取り寄せしておきました(⌒∇⌒)」

私は彼の部屋からこっそり隠しておいた流し素麺の機械を持ってきて、真山先生の目の前に置いた。

「これは・・・最新の機械か?」

「流し素麺って昔は竹を切って長くしてそこから流すのが定番だったと思うんですけど、今の世の中は発達していて機械で流し素麺を手軽に家でも出来るのでお水を流すだけで、簡単に流し素麺が出来るんです(⌒∇⌒)いつか恭一郎さんともやってみたくて、こっそり部屋に隠しておいたんです!」

「今の技術は発達していて良い物があるんだな?しかし、俺の部屋にこっそりと隠すなんて良い度胸だな?」

「サプライズですよ(;^ω^)思い出を沢山作りたいって思ったから、驚くかなって思ったんですけどダメですか?」

「悪くないな。」

そして彼の家でプチ流し素麺大会が始まった。こうして誰かと流し素麺をするなんていつぶりだろう。幼い頃に一緒に家族や幼稚園の友達とやった時以来かもしれない。

「おい、お前・・・ちっとも取れてないじゃないか。不器用にも程があるのではないか?」

「元々小食なのでそんなに食べないんですよ(^^;)でも、流し素麺なら沢山食べれるはずなんです。」

「なら、俺が食わせてやろうか?」

「えっ、自分で食べれるので平気ですよ?」

「そうか。まあ良い。」

何気ない会話をしながら今日の分を食べきる頃には、流石の真山先生もお腹一杯になってしまったみたいで書類にも手を出さずそのまま眠ってしまった。仕方なく私は彼の代わりに後片付けをする事にした。


 後片付けを済ませてキッチンからリビングに戻ると、真山先生の下に敷かれている書類らしきものを見つけた。そーっと取り出して中身を見ると婚姻届けの紙だったので、驚きのあまり思わず後ずさりしてしまった。その音で目が覚めたのか、彼は寝起きが良いのかそのまま婚姻届けを奪い返した。

「俺が寝ている間に何をしているかと思えば・・・婚姻届けに目をつけるときたか。」

「偶々目に入ったんです。・・・誰か結婚でもするんですか?」

「俺と結衣の事だ。」

「私ですか!?でも私はまだ学園生活始まったばかりで、まだ結婚なんて早いじゃないですか!」

「卒業して進路を考える時に、お前にこの紙を渡そうと思っていたんだが懐から出てしまったなら仕方ないな。良いか、お前が最上級生になって進路を考える時になったら俺の嫁になる事も視野に入れておけよ?もちろん、進学する事でも構わないからな。」

「はい///」

何か遠回しにプロポーズされた気がするけど、でもまたいつかちゃんとした正式のプロポーズをしてくれるよね(^^;)流石に今のだと彼も納得いかないだろうし・・・。

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