第3話

世界は二つある。


それは当たり前なことだ。陸と海がある。海と川がある。陸と山がある。それは当たり前なことなんだ。

風が吹くときもあれば、風が吹かないときもある。ぼくらは常に同時に色んな世界を生きているのだから、時間はひとつではない。


もしも世界は二つあったら困ることはあるだろうか。ここには時間に縛られた世界がある。だから困ることはないが、もうひとつの世界には時間そのものがない。



過去に古代文明の頃、わたし達は生きていた可能がある。それは草として、花として、一年で食される稲の一粒の種として。あるいは空にあったかも。ある日の小雨で山の頂に降り小川に流れついたかも。








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ノスタルジー @mafuda3

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