　──その姿を、視（み）てはならない。

　──その過去を、訊（き）いてはならない。

　──その真実を、識（し）ってはならない。

　なぜなら、無から有は生み出せず。

　如何に似せようと、代用品でしかないのだから。

　──あの姿は、見せてはならない。

　──あの過去は、伝えてはならない。

　──あの真実は、隠さねばならない。

　なぜなら、有と無とは相容れず。

　決して──結ばれることなどないのだから。

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