第8-3話
「
「またなにか、起こるのでしょうか?」
「気を付けて行きなさい」
柿久はそれだけ言うと、腕を組み黙った。一姫もそれ以上はなにも訊かなかった。
宮司として天の川千三百年の歴史を返り見ても、
しかし父として
「こんな時間か……」
しばらく二人は見つめ合った後、複雑な想いを振り払うように柿久は柱時計へと顔を向けた。
「明日から忙しくなる。もう寝なさい」
「はい。おやすみなさい。お父様」
一姫は就寝の挨拶をすると、五十鈴を抱え部屋を出て行った。
障子が閉まり、遠ざかる一姫の足音を聞き終えると、柿久は重い腰を上げた。
何時までも感慨に
祈祷の準備に、取り掛かることにした。
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