第7-2話
「おっさん。こんな時間になにしてんだ?」
階段に一番近い場所に座っていた金髪の少年は、黒コートの男に近づくと、
「
良いところで話しを邪魔された少年が、手に持っていた飲みかけの缶を男に向かって投げつけた。
「もう、やめなよ」
音の正体が分かりほっとしたのか、
投げられた缶が男にぶつかると思われた瞬間、金属的な高い音と共に跳ね返った。投げた少年の顔のすぐ横を、風を切るような速さで通り抜け、背後の林へと消えた。
「な、なんだ」
男に
缶を投げた少年が震える手を
手に付いた液体が自分の血だと気付いたのか、
「なにしやがった。この野郎!」
男の胸倉を掴んでいた金髪の少年が、怒りにまかせ男に殴りかかった。
堅い岩を殴ったような鈍い音が響く。
金髪の少年は、拳を押さえてその場に
「なっ、なんなんだ。あんた」
苦痛に顔を
驚き、
「まてよ、この野郎!」
少年はバットを振りかぶると、男に殴りかかった。
男は振り返り、目を
バットが男に触れようとしたとき、少年は爆風にも似た衝撃を身体全体に受け、後方へと吹き飛ばされた。
「危ねえ」
金属バットで殴りかかった少年の後ろに付いて来ていた、別の少年が
遺跡を飛び越え、三十メートル程飛ばされた少年は、少女が座っていた場所のすぐ背後の大木に、激しく叩きつけられた。
「ひっ」
仲間の一人が、痛みに
「ば、化け物だ。こいつ」
自分達の目の前にいる黒いコートの男が、普通ではないことに気が付いた少年達は、一斉にその場から逃げ出した。
金髪の少年は痛めた拳を押さえながら、気を失って倒れている少女の元へと走り寄る。
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