ポニテちゃんの施しを受ける新井さん
「あら、宮森ちゃんどうしたの?」
「私が送っていくので、今日は帰りましょう。試合も終わりましたし」
「え? どうなった? 俺のノーアウト2塁はどうなった?」
そうは聞いてみたが、ベンチが盛り上がった感じが一切なかったので、お察しだが、一応聞いてみた。
「1アウト3塁になったんですが、赤月さんとシェパードさんがアウトになってしまいました」
あいつら何してんねん! 頼りにならないなあ。
俺がせっかく痛いの我慢して2塁までいったのに。そこは俺の熱い思いを受け継いだバットでタイムリーにしました! みたいな展開にしてほしいよねえ。
「ほら、スタジアムの外が混む前に行きますよ。肩貸しましょうか?」
「ありがとう。大丈夫、松葉づえがあるから。宮森ちゃんは車回しといて」
「分かりました」
トレーナーから借りた松葉づえを使って立ち上がり、ロッカーに向かう。
宮森ちゃんに肩を貸してもらっても、彼女のサイズでは事故を装うことは無理に等しいのでやめておくことにした。
彼女はガードが固めだし。
ロッカーに入り、ユニフォームやらなんならをクリーニングボックスに入れて、私服に着替えて、負けたチームメイト達がくる前にさっさとロッカーを後にした。
「さあ、新井さん。乗って下さい」
「サンキュー」
通用口に横付けされたのは宮森ちゃんの軽自動車。
運転席から降りた彼女にドアを開けてもらって、慣れない松葉づえのかさばりに少しイライラしながら、後部座席に乗り込んだ。
宮森ちゃんも運転席に戻って車をビュイーンと走らせる。
「どこかに寄ります? お買い物とか。ご飯は大丈夫ですか?」
「山吹さんの部屋で食べるから大丈夫」
「あ、そうでしたね。仲良さそうで羨ましいです」
宮森ちゃんはそう言って、申し訳なさそうにしながらハンドルを切る。
そしてスタジアム出口すぐの路肩で………。
「あ、さやかちゃんがいます」
見慣れたおっぱいが俺達が乗る車に向かって手を振っていた。
ウインドウを下ろしてみると。
「宮森先輩! 新井さーん! 私でーす! 乗せてってくださーい!」
道路脇で一生懸命ぴょんぴょこジャンプしながら手を振っているポニテちゃん。
それよりも、どこかに飛んでいってしまいそうなくらいの勢いで激しく上下に揺れるおっぱいにしか目がいかない。
頭から紙袋をかぶった状態でも、ポニテちゃんだと即答出来るくらい。
そのくらいの自信もある。
宮森ちゃんが車を止めると、ポニテちゃんが勢いよく助手席に乗り込んだ。
「こんばんは! 新井さん。足どうですか?見た感じ重症ではないですよね?」
シートベルトをパイスラしたポニテちゃんが助手席からぐっと体をこっちに向ける。
Tシャツをぐーんと押し上げる右乳のド迫力よ。
「あー、まあね。試合の頭にフェンス際でジャンプしたら、ちょっと痛めちゃって、2塁まで走ったら痛くて交代させられて。……まあ、トレーナーが言うには軽症だから病院にはいかずにとりあえず様子見しましょうみたいな感じ」
「分かりました。宮森先輩! 私の実家に寄って下さい。治療器具を取りに行ってくるので!」
「うん、了解」
「新井さん、私に任せて下さい。前にみたいに、しっかりケアして、治りが早くなるようにしますので」
ポニテちゃんはウインクしながら俺にぐっと親指を立てる。
まだトレーナーになりたいと思っているだけなのにこれに関してはやたらすごい自信だ。
そういえば以前も同じようなことがあって、ポニテちゃんにいろいろしてもらったら次の日には治っちゃったんだっけ。
あの時はそのおかげで、1軍に合流出来て、あの前村のノーノーを阻止するプロ初ヒットを打てたんだよなあ。
たまたま治っただけだと思っていたけど、今回も彼女のやる気マンマンなおっきい胸元に任せてみようかしらね。
というわけで、ポニテちゃんのおうちに寄り、ごっついケースに入った機械を携えてマンションに帰宅した。
「ただいまー!」
「おかえり、新井くん。さやかちゃんもこんばんは」
「みのりさん!こんばんはです」
「新井くん、とにかくまずはお風呂入って」
山吹さんは、俺をバイ菌扱いしたわけではなく、ポニテちゃんからの連絡で事情を知り、先にお風呂の準備を済ませていたのだ。
そうですよね? 信じていいんですよね?
そんな疑問を抱きながらく俺に、眼鏡さんはそっとバスタオルと着替えを手渡す。
「私のでよければ、シャンプーとボディソープ使って」
「ありがとう」
お言葉に甘えて俺はみのりんの浴室に侵入する。
そういえば、死ぬほどご飯は頂いているが、みのりん部屋のお風呂スペースに入るのは初めてだ。
この前はギャル美の部屋のお風呂に入ったし、俺はこの年齢にしては着々と捲り気味に何かの階段を上がっている気がする。
服を全部脱いで、洗濯機横のカゴにとりあえず入れておいて、浴室に入る。
浴槽には、白濁色のお湯がいっぱいに入っている。
そして、シャンプーとボディーソープの横にはピンク色の可愛らしいボディースポンジが。
みのりんが毎日この丸いボディースポンジで体を洗っているのだ。
さすがにしゃぶったり舐めたりするのは人としてどうかと思うのだが、何もしないのはそれはそれで彼女に失礼なので、顔を埋めるだけに留めておいた。
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