ドラゴンさんの子育て日記53
新聖暦895年 新月の一日
年が明けた。ルグネももう七歳だ。子竜たちもすくすくと大きくなってきている。
子の成長というものははやいものだ。可愛い我が子達がどんどん大人へと成長をしていくのには寂しさも感じるが、元気に育ってくれている事が嬉しい。そしてその成長を間近で見逃すことなく見れる事が嬉しい。ルアノも少し大きくなっていた。良い事だ。
今年はどのような年になるだろうかとそれを考えると我は楽しみで仕方がない。
今年も様々な事を、家族で行いたい。色々な場所に行きたいし、沢山の思い出を皆で作っていきたい。今年も村の外から来た連中もいた。
我らに近づいてくるものはいなかったが、遠目にチラチラ見ていた。話しかけてこないのは村の者達がちゃんとそういう風に周知してくれているからのようだ。村の連中は良い連中である。
来年もこうして楽しく過ごせれば我は嬉しい。
新聖暦895年 新月の三日
ルアノは我の肩にいる。愛い。
ちなみにルアノが我の元へいると、我が子達もよくこちらにやってくるのだ。愛い者達に囲まれて我は幸せ。
新聖暦895年 新月の五日
ルグネは風の魔法が一番得意だ。だが、他の属性の才能もあるため、他のものも学ぼうと必死なようだ。一生懸命なルグネは愛い。
思わずパシャパシャしたら「魔法の勉強中だから……」と言われてしまった。我、邪魔してしまったとへこんだ。
新聖暦895年 新月の七日
今日は母君と父君がやってきて我が子達を見てくれているので、ラオと一緒にのんびり過ごした。空を飛んで、少しだけ離れた場所で竜体でゆっくりしたのだ。ラオとのんびりするのも、心が穏やかになる。
ラオも我と二人きりだと、嬉しそうで、その姿が愛いなと思った。
新聖暦895年 新月の十日
ライラの子供が生まれるという事で王都に行くことにした。ただルアノがまだ幼くて王都にまで行けないので、我とラオだけで向かった。その間、子達の事はミカガネと母君と父君が見てくれるという。我が子達を置いて、遠出をするのは少し心配だったが、ライラの子が生まれるのを祝福したかった。
本当は我一人だけで行こうかと思ったのだが、我が一人で行くのは不安だとラオが言ったのでラオと一緒だ。……我もルグネを拾ってから人の世に大分慣れてきたのだが、と思うもののラオと一緒に行くのも嬉しいのでよしとした。
新聖暦895年 新月の十二日
まだライラの子は生まれていなかったので、生まれるまで滞在する事にする。ライラに会えなかった時の話を沢山ライラにする。我、ライラと話すの大好き。ライラが優しく笑っていて嬉しい。
少しずつ大きくなっているイラフも元気そうで嬉しい。
新聖暦895年 新月の十四日
ライラが産気づいた。
イラフの時よりも苦しそうで、危険な状態とか言われて我混乱した。ラオに我の魔法でどうにかできるかもと言われて、白竜特有の魔法を使ったら、ライラが楽になってくれた。良かった。難産だったようだけど、無事に雄が生まれた。我はほっとした。
新聖暦895年 新月の十五日
ライラの生んだ雄にはドーランという名がつけられた。
きんきらきんの家の跡取りになるとの話だった。よく分からないが、ドーランに何かあったら怒るときんきらきんに言っておいた。ライラもライラの子達も我にとって大切なのだ。
新聖暦895年 新月の十八日
巣へと戻った。ルグネ、ラビノア、シノウールをぎゅって抱きしめた。しばらく離れていて我、寂しかったのだ。ぎゅーっと抱きしめ返してくれるルグネ、そして抱きしめ返しはしないけれど振り払わないラビノアとシノウール。愛い。
新聖歴895年 新月の十九日
ドーランをパシャパシャしてきたのでそれを我が子達やミカガネ、母君、父君に見せる。ライラの子も愛いものだ。
新聖暦895年 新月の二十日
今日は本を読んだ。ライラに会いに行った時に新しい本ももらったのだ。
良いものだ。
新聖暦895年 新月の二十二日
学園は十二歳から通う学園である。あと五年したら子達が望んだら学園に行ってしまうのかと、学園の資料を見ながら思う。……我、考えただけでちょっと泣きそう。
新聖暦895年 新月の二十五日
ラオとミカガネと共に子達についての話をする。話し合いの内容にはルアノの事も含まれている。ルアノに何かあるのは嫌なので、ルアノが体調を崩さないかなども見ているのだ。
どんなふうに子達が育っていくだろうかと考えるのも楽しいのだ。我は沢山我が子達の事を語った。そしたら「本当に貴方がこうなるとは昔は思わなかった」とミカガネが昔を思い出したかのように笑っていた。
昔の我が今の我を知ったらおどろくと思う。
新聖暦895年 新月の二十五日
剣の練習をする我が子達。結構扱いが上手になってきている気がする。我が子達はとても努力家で、良い子達だ。
新聖暦895年 新月の二十八日
ルアノが怪我をした。巣の外を少しだけ飛んでいたら他の鳥に襲われたらしい。回復させたが、不安になった。なので、我の鱗とかで色々作って首から下げさせた。
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