ドラゴンさんの子育て日記54
新聖暦895年 文月の一日
もう今年もひと月が経過した。早い。
七歳になってもルグネは相変わらず愛い。ミカガネが言っていたが、子の中では大きくなるにつれスキンシップを嫌がるものや反抗期なるものになるものもいるらしい。が、現状、ルグネはとても素直で愛い。勉強中にスキンシップをすると何か言われる事はあるが、基本的に我がぎゅってしても受け入れてくれる。
逆にラビノアとシノウールは生まれた時から我に少し冷たい時もある。が、反抗期と言うほどではない。何だかんだで我にされるがままの時もある。本当に我が子達がこんなに愛い事を私は幸福に思う。
新聖暦895年 文月の四日
我が子育てをしているというのを聞いて、竜が何匹かやってきた。ルグネは竜が傍にいようとも気にした様子がなく、逆に楽しそうだ。ルアノは怯えきって我の後ろに隠れていた。我に最初は怯えていたのにこんなに我に心を許しているルアノが愛い。
とりあえずルアノが怖がるので、大勢で来るなと言っておいた。
我の事を丸くなったと奴らは言っておった。ルグネを拾ってから変わった自覚はあるが、そのように面白そうにニヤニヤされると蹴り飛ばしたくなる。だが、我が子達にそういう場面をあまり見せたくないので自重する。昔の我だったら望んでない相手がやってきたら問答無用で追い返してた気がする。
新聖暦895年 文月の七日
ようやくやってきていた竜たちが帰っていった。しかし、我は奴らの名を覚えていない。ラオは全部覚えていた。「シルはもう少し人の名前覚えた方がいいかも」とラオに言われた。ただラオは「でもシルが他の人に興味を持つのは嫌だ」とも言っていた。どっちなんだろうか。
新聖暦895年 文月の十日
ライラから手紙が届いた。ライラから手紙が来ると嬉しい。我、ライラが大好き。ライラの子はイラフもドーランもすくすくと育っているようだ。良かった。ドーランが大きくなったらこちらに遊びにきたいと言っていた。
我も来てほしい。きんきらきんがライラをまた妊娠させなければいいが。子が出来るのは良い事だが、我、ライラにこっちにも来てほしい。
新聖暦895年 文月の十三日
ルグネ、ラビノア、シノウールに学園都市についての説明をする。まだ学園に通うかどうかは決めなくても問題はないが、ちゃんと通いたいか通いたくないか判断するためにも教えるべきなのだ。
……我としてみれば、もし子達が学園に通ったら寂しいが。
新聖暦895年 文月の十七日
ルアノが我の肩にいる。愛い。
ルグネとラビノアとシノウールは育成記録を一生懸命書いている。うむ、愛い。
新聖暦895年 文月の二十日
来月、再来月ぐらいになれば、ルアノを連れて王都に行くのも出来るのではないかとラオとミカガネと話している。飛んでいく場合は辛いかもしれないが、ルアノのためにも馬車で時間をかけて王都に行こうと考えているのだ。
新聖暦895年 文月の二十五日
今日はラオと一緒に二人でのんびりした。ミカガネが子達の面倒を見てくれているのだ。
新聖暦895年 文月の二十九日
もうすぐ今月も終わる。本当に月日がたつのは早い。
新聖暦895年 蛇月の一日
昼寝をして目が覚めたら左右に我が子達がいた。ああ、愛い。
ちなみにラビノアとシノウールは、竜体で傍にいた。竜体も少しずつ成長していっている。ルグネは我の右隣ですやすや寝ていた。我が子達の寝顔は天使のようだ。そんなものの存在信じていなかったが愛い物は愛い。
新聖暦895年 蛇月の四日
村に下りて近いうちに王都に顔を出すと話していたら、一緒にいってくれないかと聞かれた。王都である竜の祝祭のための王都に村人たちも行くらしい。我にとっては問題はないが、人の身では向かう最中に何が起こるか分からないと不安らしい。我は承諾した。だって我、村の連中の事結構好きなのだ。
毎回、年収めにも参加させてくれるし。何よりライラの故郷だし。あと我の子達にもよくしてくれるし。
承諾したら喜んでいた。
新聖暦895年 蛇月の十一日
子達と一緒に魔法を使う。
我の子達は中々筋がいい。我の子達はなんて愛いのだろうか。そしてなんて素晴らしいのだろうか。そう思ってならなくて、ライラへの手紙に思いっきりそのことを書いた。
新聖暦895年 蛇月の十七日
ライラからの手紙では、ライラの子達への愛があふれる文章が詰まってた。ライラ、我に触発されて我が子の良さを一杯かいてくれた。ライラが自分の子を大切にしているのは良い事だ。ミカガネがライラの手紙を見て「親ばかね」と笑ってた。
新聖暦895年 蛇月の二十二日
母君と父君が遊びに来た。子達と一緒に狩りにいってくれた。母君と父君も我が子達が愛いからすっかりメロメロだ。我が子達は本当に愛い。
新聖暦895年 蛇月の二十七日
少し体調を崩した。こんなに気持ち悪いの初めてだ。何だかラオたちがバタバタしている。
新聖暦895年 蛇月の二十九日
口移しでラオが何か飲ませてくれた。少し体調がよくなった。
新聖暦895年 蛇月の三十日
どうやらどこかで我は竜も含む爬虫類がかかる病気をもらってきてしまっていたらしい。竜は丈夫だから大丈夫だったらしいが、蛇とかだとすぐ死んだかもってレベルらしい。慌ててラオが薬手に入れてくれてよかった。
子達が泣きそうな顔をしていた。心配をかけてしまった。
これから念のためにその病気にきく薬をストックしておくことにする。
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