ドラゴンさんの子育て日記㊸
新聖歴893年 宵月の一日
また今年もルグネを拾った月がやってきた。ルグネを拾った日の事を思い起こす事はいつでも出来る。我はルグネを拾う事が出来て、その先にこんな未来が待っていて本当に嬉しい。
新聖歴893年 宵月の三日
ルグネ、シノウール、ラビノアが楽しそうに笑っている。我は我が子たちが楽しそうに笑っているだけで我は嬉しい。我が子達が笑うと、我も笑ってしまう。こうして家族と過ごせる時間が我はとても好きだと思う。
新聖歴893年 宵月の六日
今日は読書をしていた。らぶろまんすなるものを見ていると、また劇を見に行きたくなった。今度王都にいったら劇をまた見てみよう。
交換日記でラオを誘っておこう。
新聖歴893年 宵月の十日
竜体のシノウールとラビノアが空を飛んでいた。それを見ながらルグネが一生懸命風の魔法を使っていた。体を浮かせられは出来るけれどやはり自由自在に空を移動するというのは出来ないらしい。
もういない人間の我が友人は本当に凄かったのだなと思ってならない。でもあ奴の幼い頃は我は知らないので、今のルグネとあ奴の小さな頃がどちらが優秀なのかは分からない。
新聖歴893年 宵月の十五日
ルグネが空を自由に動けないと落ち込んでいた。思いっきり可愛がって、ルグネは優秀だからいずれ出来るようになると根拠もないのに言い続けてしまった。ライラの手紙できんきらきんがルグネの魔法習得のはやさに驚いていたと書いてあったから間違いではないだろうし。
新聖歴893年 宵月の十八日
今日は母君と父君とミカガネに我が子たちを預けてラオとでかけた。ラオは二人の時間を作るととても嬉しそうである。
新聖歴893年 宵月の二十三日
村に来ているものが我らに会いたがっているらしい。ひとまずラオだけ行った。
新聖歴893年 宵月の二十四日
昨日我らに会いたがっていたのは画家という絵を描く仕事をしているものたちらしい。我らの絵を描きたいのだと。家族の絵……ちょっと欲しいと我がつぶやいたらラオが「じゃあ一枚もらうように交渉する」といって村に降りていった。
新聖歴893年 宵月の二十六日
家族の絵を描いてもらうことになった。竜体と人型と色々書いてくれるらしい。結構時間がかかるらしいが、家族の絵欲しいからしばらく村にちょくちょくいくことになりそうだ。
新聖歴893年 宵月の二十九日
絵を描いてもらうために村に降りているが、その後は子たちは村の子たちと遊んで楽しそうだ。
新西暦893年 深月の一日
我には分からないが、肌寒くなってきているらしい。ルグネが寒そうなので暖かい衣服を着せてあげた。
新聖歴893年 深月の四日
上手く魔法を使えば、ルグネは自分で寒さとかを調整できるかもしれないらしい。それは素晴らしい。我はルグネが寒さで震えたりするのが嫌なのである。
新聖歴893年 深月の八日
ルグネははやく飛べるようになりたいからか風の魔法ばかり練習している。火の魔法とか使えるようになったら寒さをしのげるかもしれないというのに、ルグネは我らと一緒でありたいと願ってくれている。その心が我は嬉しい。我らとルグネは種族は違うけれども家族なのだと思えて、本当に嬉しい。
新聖歴893年 深月の十三日
ルグネが風の魔法を使って空を飛ぼうとしている。その訓練に我も付き合う。風が冷たいため厚着をしてからだ。ルグネは体を浮かせる事は可能だが、やっぱり我らとは違い自由に動けない。
そのことを落ち込んでいる。しかし我らは飛ぶための翼を持っている。本来なら人の身で空を自由に飛ぶ事は難しいことなのだ。でもルグネは魔法を使えるようになってすぐに浮けるようになっているから問題はないはずだ。いつか、ルグネと空の散歩したい。
新聖歴893年 深月の十七日
シノウールとラビノアとルグネが遊んでいる。子というものは元気で良い。今日は空を飛ぶ練習はお休みのようだ。あと家族絵はようやく完成しそうだ。
新聖歴893年 深月の二十日
画家から家族絵を色々ともらった。とても良い。我らはこうして絵にするとこんな感じになるのだなと新感覚だった。
それにしても良い絵である。お礼に鱗をあげればとても感激していた。もちろん、ラオに相談してからあげた。本当はもっと色々あげたかったが、ラオにそれだけでよいといわれてそれだけにした。
新聖歴893年 深月の二十四日
絵というのは、写真とはまた違う良さがあるものだ。そう思いながら顔がにやけてしまう。額縁ももらったのだ。ちゃんと棲家に飾っている。良い。
新聖歴893年 深月の二十七日
今度また王都にいく計画を立てている。ライラに会いたいのだ。あとラオが劇を見に行こうといってくれた。
新聖歴893年 深月の三十日
今月ももう終わりだ。来月になったら王都へ行こう。
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