ドラゴンさんの子育て日記㊷
新聖歴893年 須月の一日
我が子たちは学園都市は結構楽しかったらしい。良かった。
新聖歴893年 須月の四日
今日もルグネは魔法の練習をしている。ラビノアとシノウールも横でそれぞれ使える魔法の練習をしていた。
うむ、我が子たちがこうして励んでいる姿を見ると何だか良いものであると我は思った。いつか子は親を越えるものかもしれないが、しばらくは越えられないように頑張らねば。親としての威厳は欲しいのである。
新聖歴893年 須月の十日
今日もパシャパシャする。パシャパシャは楽しい。そういえば今年は竜の祝祭は我らの事を退治するといっていたあ奴らのせいで延期していた。今月やるらしい。我らの事を祀る祭りなので、我らが穏やかに過ごしている時にやりたいんだそうだ。そのせいで色々ごたごたしていたらしい。
あと先月は我ら出かけていたし。それもあって合せてくれたらしい。去年とやる時期が違う事もちゃんと商人を通じて伝えて準備万端のようだ。
新聖歴893年 須月の十五日
というわけで今年の竜の祝祭が開催された。五日間開催される竜の祝祭。また人が沢山来ていた。我らも子達を連れて楽しむ。今年はライラは来ていない。ライラは子を産んだばかりであるし、安静を取ってこなかった。もう少しイラフが大きくなったら連れてきたいと言っていた。まぁ、確かに人の赤子というものはか弱いものが多いのでそうする方が良いだろう。
結構我らを模したグッズとかは売れているらしいって村の連中が言っていた。
新西暦893年 須月の十六日
今年は2号の子供達だけではなく、2号もお忍びという形で来ていた。
2号と2号の子供たちは国のトップという立場らしいが、お忍びという形で来ている彼らはとても普通の親子にしか見えなかった。我が子たちも2号の子供たちに会えて喜んでいたのでよしとする。
我らの事を劇にしたものが相変わらず今年も披露されていた。あと、今回はそれを本にしたものも同時に発売していた。その売上げはラオが村の者から一部もらっていた。
新聖歴893年 須月の二十日
今日で今年の竜の祝日は終わりである。楽しい時間はあっという間に過ぎていってしまう。今年も我が子たちが楽しそうで何よりであった。我も楽しかった。
新聖歴893年 摩月の一日
去年はルグネが体調を崩していたので我は今年も体調を崩したらと不安だったが、今の所元気そうである。
ラビノアとシノウールもまだ子竜なので体は我らよりも弱い。今の所こちらも何も悪い所はなくいい事だ。
新聖歴893年 摩月の四日
今日は本を読んでいた。中々沢山の本が世の中にはあって面白い。ただ、あれだ、我ら竜が倒されるべく敵として出てくる話は少しもやもやする。
新聖歴893年 摩月の六日
最近子達は魔法の練習を一生懸命している。シノウールとラビノアは白竜と黒竜という事もあって使える魔法は本当に得意だ。でもルグネは全部の属性が使えるということなので、ルグネが魔法を使いこなせるようになったらどうなるのだろうかと楽しみになった。
新聖歴893年 摩月の十日
今日は何度目になるか分からない家族会議をラオとミカガネとした。学園についての情報を我らはどんどん集めている。というか、ラオがどんどん集めてくれている。我らの子たちが通うかもしれないという場所の事を徹底的に調べるのは当然である。
もし通わなかった場合の事も色々と我らは話し合う。もし学園に子たちが入学したら我らはどうしようかというのも話題としてあがった。正直、我は色々な場所をうろうろするのも好きなので、子達が手を離れたらラオとぶらぶらするのもありかなと思っている。学園に子達がいるとわかっていれば会いに行く事は出来るし、連絡方法を作れば問題はない。でも学園に入学すると同時に寮に入り、子達が皆いなくなると思うと、考えただけで我は寂しくて泣きそうになってしまった。
新聖歴893年 摩月の十五日
ルグネが一心に風の魔法を習得し、体を浮かせることに成功していた。そのシーンも記念にパシャパシャした。ルグネは喜んでいた。我も嬉しい。
新聖歴893年 摩月の十八日
沢山写真を撮っているから、アルバムはどんどん埋まっていく。アルバムを見返すのも良い。何だかほんの少し前の事なのに我が子たちとの思い出を思い出して懐かしくて嬉しくなる。カメラなるものは本当に素晴らしいものだ。
新聖歴893年 摩月の二十三日
母君と父君がやってきた。我が子たちと思いっきり遊んでいた。我も一緒になって遊ぶ。こうして三代でそろって遊ぶのも何だか考えると凄い事だと我は思った。母君と父君は子達をとても可愛がってくれている。その気持ちは十分わかる。だって我が子たちはとても愛い。こんな愛い存在を、子に出会うまで我は知らなかった。
新聖歴893年 摩月の三十日
ルグネを拾ってから本当に月日の流れが早く感じる。もう今月も終わりだ。子たちが体調を崩す事がなく我は安堵している。しかし、またこれから寒くなってくるので気を付けなければ。
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