第35話「ゴーレムと話してみる」
ゴーレムが言うことをまとめるに、口を作っても声を出すことはできないとのこと。そこで僕は風の魔術を応用して再現できないか、と聞いたが魔術の能動的使用はできないらしい。ゴーレムの特性でもある崩された手足が巻き戻るように治るのは、既に仕込まれている術式が勝手に作動するからみたいだ。
では目もないのに物事を知覚できているのは何故か。それを聞いてみると面白いことが聞けた。どうやら魔術に頼らずとも感じることができるらしい。蛇のように赤外線を感じるような、ピット器官に準じた何かでもあるのだろうか……
(ところでマスター。自分は何をすればよろしいのでしょうか?)
(ああそうだな……)
僕はこれからの計画を話す。
保護している男の出方によって変わる今後のこと。上手くいけば外で活動してほしいこと。ダメならダンジョンの守護、周辺の素材集めを頼みたいこと……っと一応これも聞いとかないとな。
(僕以外の命令も聞くことはできるか?)
(ある程度ルールを頂かないと難しいです)
(……細かい部分までないとダメな感じか?)
(出来ればそうして欲しいです。ダメなら大まかな方針だけでも)
(わかった、考えとく)
どうやらマニュアルがないと厳しいらしい。まあでも多少の思考は大丈夫そうだし、大まかなルール作りをすれば大丈夫そうかな……? まあでもスケルトン同様ある程度考えを共有できれば大丈夫だろうーーそういえば……スケルトンに男たちをどこに保護しているか聞いてなかったな。早く済ませて時間を捻出しよう。
(ゴーレム、一旦念話を切るぞ)
(すみませんマスター。命令を頂きたいのですが)
(んー、じゃあ取り敢えずダンジョンの守護を頼む。専守防衛で。用ができたら念話で呼ぶ)
(承知しました)
念話を切るとゴーレムはのそりのそりと洞窟入り口ーー訂正、ダンジョンの入り口に移動していった。
僕がそんなゴーレムの姿を見送っていると、丁度よくスケルトンから話しかけてきた。
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