第31話「ダンジョン拡張」
それにこの洞窟空間にも問題がある。スケルトンが目についてしまう点だ。アンデッドと仲良くしている所は見せられない。きっと発見されたら魔に属するものとして信用は失墜するだろう。ネクロマンサーとかと言い張ってーーいや、それは早計か。
「(でもスケルトンをコアの守護から外すのは考えられない)スケルトン、ダンジョンを少し拡張するぞ」
「おお、ついにダンジョンらしくなるのですか!! この洞窟は」
「……まあ多少ね」
悪意はないんだろうが洞窟呼ばわりは健在か。まあ無理もない、本当にただの横穴だもんなここ。
僕はそんな下がりそうな気持ちに蓋をしつつ、ダンジョンをほんの少し拡張した。正確に言うと入り口すぐ横に隠し部屋を作り、そこにコア移動させた。もちろんスケルトンは守護者としてそこに詰めてもらう。
うんうん、これでスケルトンは男2人の目にも入らない。これでとりあえずの問題は解決。スケルトンも日が当たらない環境に喜んでいるし、密室空間でコアからの瘴気を受け続けられる。アンデットには最高の環境だろう。
僕は早速部屋に入って喜んでいるスケルトンを見て「いい采配をしたな」と自画自賛ーーでもここでふと違和感を感じた。
(たかが2畳くらいの空間拡張でこの魔力消費量か。ごっそりと持って行かれたな……待てよ)
なぜこんなにも効率が悪いダンジョンコアが他所でも活用されている? このままでは不便極まりないし、拡張できなければ囮としての役目も薄くなる。きっと何か方法があるはずだ。
僕は索引をかけて色々と情報を集めていくと、解決法のようなものを発見した。コアに素材を食わせることで魔力を蓄えることが可能らしい。しかも雑食で生物から魔石、素材に至るまでなんでも大丈夫だとか……
(リサイクル的なことでもしているのか、このコアは……便利だとは思うが変換効率次第だな)
試すならまず使用用途の少ないクズ魔石ーーゴブリンの魔石だ。僕は魔石を取り出し、ダンジョンに食べさせようとするが……
(……どう食うんだ?)
再びQ&Aを操作して食べさせ方を調べる。どうやら単純に接触させ、食べろと念じれば良いらしい。よかった、勝手に周囲にあるものを食べる存在じゃなくて……
(よし、では気を取り直して……)
僕はゴブリンの魔石を近づけて「食べろ」と念じる。
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