本編
第6話 部室と卓球台
「こんにちは~。」
「柳(やなぎ)先輩、遅いですよ!」
「こらっ、先輩に向かって遅いとか言わないの。」
「むぅ~。」
「こんにちは、かなちゃん。まだ、ロゼちゃんとしずかちゃんは来てないよ。それよりも、これを見てくれないか!」
「これは、もしかして…。」
「そう、卓球台だ。」
わたしが文化部の部室に着くと先輩の長沢(ながさわ)まゆ先輩と、後輩の坂上(さかがみ)ゆめちゃんが居た。
いつも置かれている折り畳み式の長机は詩集の入っている棚の隅に置かれていた。
兼部している織田(おだ)先輩と神無月(かんなづき)先輩、それと後輩の美園(みその)ちゃんと、赤羽(あかばね)ちゃんもまだ来てなかった。
「どうしたんですか、これ?」
わたしは、まゆ先輩に聞くとまゆ先輩は自慢げに笑った。
「今日は、運動部が体育館倉庫の掃除をしているからその間、うちで扱うことになった。」
「はあ…。」
なんとまあ、よくもそんなことを自信ありげに言えたものだと思ったがとりあえず卓球台があるのは今日だけのようだった。
「やりましょうよ、柳先輩!まゆ先輩が弱すぎて相手にもならないんです。」
「なっ、ぼくはそこまで下手じゃないぞ!」
「だって、先輩。跳ね返ってきたボールを全部スマシュで返しているのに全部ネットに当たっているじゃないですか。」
「あれは、だな…。うん、君がボールに変な回転をかけるからじゃないのか?」
「そんなこと、ないですよ。たまに無回転とかありますし…。」
「さては、君。狙ってやってるな?」
「そっ、そんなことないっすよ!」
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