第2話 入学式
『入学生のみなさん、初めまして。私はこの朱雀大路中学校の生徒会長村上・ベレッタ・クリスティンと言います。以後、お見知りおきを…。』
「あの人、すっごくきれい。」
「すごいよね。」
「いいなあ、なんていうか、帰国子女って感じ。」
「でも、それでいてあの着飾らない感じがいいよね。」
(…大丈夫かな…友達出来るかな…。)
周りをなるべく首を動かさないようにキョロキョロと様子を見る。
みんな近くの女の子と話している。
(うう~…わたし、このままだと一人になっちゃうよ。)
「あの…大丈夫?」
「あはっ、ひゃい…。」
「ごめんね…驚かせるつもりじゃ…。」
「そんなんじゃないから、その…ええっと…。」
「?」
「その…ともだちになってほしいかなって…。」
「…うん、いいよ。」
「えっ、ほんとに!」
「でも、その…みんなに聞かれちゃうから…その…もう少し静かな声でね。」
「あっ…きゃっううう。」
我に返って、顔を手で覆った。
今、わたしの顔は物凄く真っ赤になっているだろう。
『明治時代から続くこの学校も近年の周囲の環境や地域の男女比の変化もあって、私達3年生の年に男女共学から女学校に変わりました。由緒あるこの学校の名前の変更も迫られましたが、かつて男性と女性が一緒の学校に通っていたという歴史を残すためにも名前の変更はしませんでした。けれど、私達はここで新たな区切りとして学校の歴史を積み上げていくことになります。そして、初代生徒会長としてあなた方には立派になってもらいたいと思います。』
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