第五話 ロイヤリティは商標権、これはロイヤルティ

 似た響きだし誤って認識している方も多いようですが、ロイヤリティroyaltyは商標権や特許権、著作権といった意味を持ちます。

 日本では権利使用料、つまり使といった意味合いで使われることが多いですね。

 各コンビニを筆頭にクリーニングやダスキンなどのフランチャイズ店は、商標やノウハウなどを使用する代わりに対価としてロイヤリティを本部へ払う、という仕組みです。

 ちなみに、最初にこのシステムを導入したのはケンタッキー・フライド・チキンだといわれています。


 一方、ロイヤルティloyaltyは紅茶〇伝の商品名にありそうですが、もちろん紅茶――たまたま本日十一月一日は紅茶の日だそうです――の種類ではなく、本来は忠誠や義理といった意味を持ちます。マーケティング用語としては愛着や信頼といった意味合いで使われており、類似ブランドがあっても特定のブランドを購入する消費者心理を表すときなどに用いられます。

 例:ドレッシングは必ずキユーピーのものを買っている。

   コンビニのコーヒーはローソンじゃなきゃ嫌だ。

 上記は作者の嗜好を示すものではありません。あくまでも参考例。これらの場合には顧客ロイヤルティが高いと表現します。



 ここで、「待って、両方ともロイヤティじゃない!?」と気づいたあなたは流石、カクヨムユーザー。きっと常日頃から言葉への意識が高いとお見受けしました。

 基となった英語では一文字目のRとLとの違いのみとなっています。日本語には各々の差を表す表記がないので、便宜的にロイヤとロイヤとに書き分けたのでしょう。実はこの使い分けには明確な基準がなく混在して使われており、前後の文脈や使われている場面で判断することとなります。

 実は偉そうに書いていますが、昨日まで本作のキャッチコピーにロイヤリティを使っていました。お恥ずかしい限りです。

 あえて言い訳をするならば、ロイヤリティの方が語尾にイ行音が続くので、日本語としては言いやすいからです。きっとそうに違いない。横道にそれてしまうので、この話は置いといて。



 では、今回のカクヨムロイヤルティプログラムはどちらの意図で名づけられたのか?

 仮に前者のロイヤリティだとすれば、「カクヨムの名を使って利益を得たり、運営方法をまねて独自のサイトを作ってもいいから、登録料を支払ってください」ということになります。説明するまでもなく、広告の収益を分配という方法とは異なります。

 そこで、運営の立場になったつもりで妄想してみました。

「数ある小説投稿サイトの中からカクヨムを選んで活動しているユーザーのみなさんに、これからも愛着を持って利用していただけるよう一緒に成長していきましょう」という思いを込めて、ロイヤルティプログラムと名付けました――なんと愛のある素晴らしい趣旨ではないですか。ネーミングセンスの良し悪しは別として。

 本来、ユーザー側(多数)から運営(特定)へ向けられた意思に対して使う「ロイヤルティ」を、あえて運営側のプログラム名として使用したのはそこに意図があるはずです。


 私自身はカクヨムともカドカワとも何ら関係がありませんが、第一話で述べたように、運営側は私たちユーザーとWin-Winの関係を構築することを目指していると考えています。

 PVを基にしたリワードの発表はまだまだ先になるので、次回からはこのプログラムについて運営の視点から推察していきます。

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