エピローグ

翌日、学校に行こうとすると母親から呼び止められた。

「鏡がひび割れていたから直しておいたわよ、物は大切にしなさい」と手渡される。

「ありがとう」

この鏡はもう使わないって思っていたけど、再び自分の顔を映す。

「これで良かったんだよね」

鏡に問いかける。

『あなたはわたし、わたしはあなた』

その瞬間、体が鏡に吸い寄せられる。

えっ?どういうこと?

鏡だらけの部屋みたいなところにいる。

自分がたくさんいる。

その中からもう一人の自分が現れた。

『あなたの体は私のものよ、あなたは私になりなさい』

そういうとスッと消えた。

「ちょっと待ってよ!誰か助けて」

わたしは鏡の世界に来てしまった。

もう一人の私が鏡の外でニコリと微笑む。

待ってよ、誰か助けて!

鏡をバンバン叩きながら助けを呼ぶ。

鏡に映る自分を見ると外の映像が見える。

もう一人のわたしが、わたしの体を乗っ取ったアイツが冬馬と話している。

誰か助けて!

わたしはここにいる・・・。


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卯月レン @426uzuki

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