第2話:愛美從日本到臺灣到了(台湾到着)
「じゃあ。行ってきます。」朝4時。4月のこの時間は日も登っておらず、本当に空気が冷たく、新しい生活が始まる愛美の気を引き締めるようだった。大切な彼氏に見送られ、空港行きのバスに乗り込む。
大きな荷物、生ぬるい空気…。愛美は半年間生活する台湾に昼頃降り立った。それにしても飛行機が成田出発するのに1時間遅れて、桃園(桃園国際空港:台湾一大きい国際空港。成田みたいな感じ。)に降りれなくて1時間上空を旋回して、地上に降りたらゲート待ちでなんだかんだ3時間遅れだった。飛行機は何回か乗ったことはあった愛美だが、流石に予想外の展開で既に疲労度は増している。しかも航空券を節約して狭いLCC(ローコストキャリア:格安航空会社)で来た。身体中が固まっていた。税関は悪いことしてないのに毎回緊張する。愛美は余計固まった体が固くなりそうだった。
「君はなんで台湾に来たの?」
「留学するためです。」
「学生ビザは…あった!おお!頑張ってね!アリガトウネ!」勢いよく税関の人は入国スタンプを押してくれた。ありがとうと日本語で言ってくれた。少し肩の力が抜けた。本当に親日の地域だと実感する。愛美はただ日本人というだけで優しくされることに違和感を感じていた。
そして明らかに台湾人の発音する中国語が聴き取りにくい…。大学では大陸の標準語を習っていたし、簡体字で授業を受けてきた。多少繁体字の勉強はした。繁体字は日本語の漢字の旧字体と同じ字も多い。だけど…
「私…大丈夫…?」
到着ゲートを抜けた。愛美は当たりを見渡す。エージェントの迎えが来ているはずだ。
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