第38話 実践授業

今日はどうする? これとかどう?


いいじゃんそれしようよ。 じゃあ受注してくるね!


おっけーじゃあ俺は荷物まとめておくわ!


何やってんの?ほら行くよ。


今日もついてくるだけでいいから。邪魔しないでよ。

変に動かれるとこっちの評価が下がるから、ほんとやめてよね。


じゃあ荷物よろしく。得意なんでしょ重い荷物持つの。


じゃあ10分後門前でねー。 またあとでー。


あっそうだ。遅れてきたやつは欠席扱いにするから。


それじゃあ。せいぜい頑張ってね。


~~~~


あれから少しの時がたち、この生活も日常化してきた。

かたいベッドにも慣れた。もともとどこでも寝れるし関係ないけど。


冷たい水にも慣れた。井戸水杯いっぱいにためると持ち上げられないけど。


この扱いにも・・・な、れた。


結局どの世界でも自分に対する風当たりは強くて。


だからいつも人目を避けてた。でもそれじゃあ生きていけないって、発起して出た学校も今では心が折れそう。


ちょっと前まで話してたファナも、最近では姿を見かけなくなって。


じゃりじゃりとした砂の感触。門までの道のり。遠いようで近い距離。でも心がその場から離れたがって。いつまでたってもたどり着けやしない。


たどり着いたらまた始まる荷物持ち。だって自分には何もできないから。

ほかの班のメンバーは強くて早くて。今日も僕なんかじゃ太刀打ちできないモンスターを討伐するんだろうな。

憂鬱。でもいかないと評価が下がってまた初めからになる。そんなのいやだ。



おそいぞ。あと3秒たっても来なかったらおいてこうと思ってたんだ。


お前をまってたわけじゃないぞ。来た来た。われらのエース様が今到着したからな。


おい遅いぞー。まあ来たからいいや。いこーぜ。


これ。荷物な。はい。受け取れよ。欠席にするぞ。ふー。楽でいいぜ。ほんと。サイコー。


今日の魔物もさっくり刈って評価上げたら、お金稼ぎにいこーぜ。


いいね。いいね。俺らももうすぐ卒業かなー。まああいつよりかは早く卒業できるよな。ははは。


~~~

うっそうとした茂みに何の躊躇もなく踏み込む。

その足跡を僕も追う。


その足跡は小さいのに、それでいて大きかった。




~~~


らっくしょー。まじっでこのギルドで受けれるモンスターの受注なんて俺らにかかれば大したことないっしょ。さっさとほーこくして金稼ぎいこーぜ。


それならあいつにほーこく任せればよくね?


だめだめ。あいつなんかに任せたら捏造されかねないし。


ってかあいつ文字読めないんだったよな。だから結局ほーこくなんてできっこないって。


そうかそれもそうだな。 しょうがないから俺らがやるかー。


えーあいつの名前入れるの?今回もなーんにもしてないのに。


しょうがないだろ。チームメンバーで任務達成しないと評価もらえないんだから。


ちぇ。よーかったなあー。俺らの腰ぎんちゃくできてさー。これでお前も卒業までの道が短くなったんじゃねーの?


でも卒業できたってあいつすぐおっちぬだけだろ。なーんにもできないぺーぺーなんだからさ。


よし、報告完了っと。行こうぜ。 おいついてくんじゃねーぞ。ついてきてもお前なんかに渡す報酬なんてねーんだからな。


~~~

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