第37話 初授業②
2人で急いで中庭に向かった。とは言っても伸也はこのギルドの全容を把握していないため、きっと一人で中庭へと向かったら迷子になっていたであろう。
ファナに感謝である。
ーーー
中庭には、さっきのクラスの人たちばかりか、見知らぬ顔もいた。それこそ大人数である。数で表すとすれば、100は優に超えているであろうか。
その人数の多さに圧倒されているうちにギルド職員が伸也たちが立つ場所よりも少し高い場所に立ち、話を始めた。
午後の授業は、実習ということらしい。とは言ってもいきなりライセンスもなければ実戦経験もない伸也にとってそれは困難なのは目に見えてわかっていた。思わずそわそわと周りを伺ってしまう。周りは伸也とは対象的に肝が座っているというか、目がきらめいて見えた。ファナも例外ではない。まるで期待を胸に膨らませている、そんな雰囲気だった。
ギルド職員は言った。
「定例となってしまうが、これはテストも兼ねている。だから、どんなに簡単な問題であったとしても手を抜かずに行え。分かったな。」
そう言ってから周りを見回しつつ数拍、間を開けた後、
「ではそれぞれのレベルのクエストは入口のクエストボードに。」
そう告げ小高い教壇のようなところから降りる。
それを合図かのようにして、集まっていた数100の人たちが一斉に動き始める。
伸也とファナは少しの間ポカンとしていたものの、お互いに顔を見合わせ人の流れに乗る。
これから実習が始まる。
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