第24話 異世界到着後の備忘録 ゆん視点その2
正直そこからは怒涛の日々の始まりだった。まあ2日しかたってないんだけど。人間って強烈な事件が起こり続けると、脳内で整理しきれない膨大な量の記憶がずっと残り続けるから、1か月とかそんな長い日時がたったように感じるってのに気付いたよ。まあ今までが記憶に残らないような浅い事物しかなかったから、急に入ってきた今までより多い情報に脳が
ーーー
あの後私はステータスチェックをされた。前に神様たちからステータスチェックをさせられた時みたいに結果は???だった。てかそのチェック方法が面倒だった。
ちょっと聞いてよ。前神様たちにチェックしてもらったときは数秒で結果が出てたじゃん多分。ちょっと記憶があいまいだけど。
そんなには時間がかかってなかった気がする。でもここではとてつもない時間がかかったんだ。なんで?って聞いてもわからないの一点張りだったし、わかってたとしても教えてくれないんだろうな~とは思った。だって簡単に言えば急に落下してきた不法侵入者だよ?私。そりゃ誰だって警戒するよ。私だって警戒する。そんな人落ちてきたら真っ先に距離とるもん。
あーごめんチェックの方法だったねでもまずこの部屋に入るところから説明したいんだ。ん?なんでそんな口語口調なのかって?自分で考えるときぐらいは自分さらけ出してもいいでしょ。だって今しゃべってるのは私の中の二人だもん。誰も聞いてない。ってか聞けるわけないじゃん。
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私は廊下を歩いていた。目線の先には赤くてふわふわしたカーペットが床一面に広がっている。最初は床ばかり見ていた。というかいつも歩くときは床ばかりを見て歩いていたからそれが癖になっていた。
でもそれはいつも歩きなれた、私がよく見る道だったから。でも今は違う。ここには知ってる人もいなければ、知っている道も存在しない。頼みの綱は今私をどこかへ案内ししようとして先導して歩く、このひとだけだ。
『この人を見失ったら私は路頭に迷う。そればかりか相手に迷惑をかけてしまう。もし、迷惑をかけてしまったら何されるかわからない。』
とゆんは直感でそう判断した。だからいつもよりちょっと顔を上げて、先導して歩いてくれる人を視界に入れる。
ひとまず私を呼んでくれた人に注目してみる。呼んでいただいたときに薄々気づいてはいたがどうやら女の人なのはまちがいないらしい。というかあからさまなメイド服を着ていて、男の人なわけないであろうとまず一つ。
この世界にメイド服なんてあるんだふーん、あとで着て伸也に見てもらうのもいいなとか思ったのは内緒である。
背がピンと伸びていて、こつこつ音を立てて歩く姿はまさに優雅という言葉がぴったりだった。少し見て思わず、目を背ける。なんで目を背けたかについては聞かないで。
次に顔をせっかく上げたからと思ってきょろきょろ周りを見てみる。でもちゃんとこの女の人が話しかけてきたら即返せるように心の準備はできている。心の準備は。
周りはやはり床でも思ったのだが、相当費用が掛かっているのを感じさせる。歩いていると途中に花瓶やら高そうな絵が飾ってあるのがわかる。まさに豪華絢爛とはこうゆうときに使うのだな・・・としみじみしているうちに前を歩く女の人(メイドさん)が急に止まる。それに合わせて私も止まる。
「こちらになります。」
そう言って、大きな観音開きの扉を開けてくれる。ちょっと開ける動作も優雅で少し見とれる。
「どうぞ。お入りください。」
言われてからやっとメイドさんから案内された先に目を移す。そこには、さっきの豪華絢爛な雰囲気とはまた違った、一言でいうならば、『神聖』な空間が広がっていた。
ーーー
今まではザ・城みたいな景観だったのに今度はザ・教会だ。
そんなことを考えながら呆けていると案内してくれたメイドさんが口を開く。
「こちらにおかけいただき、こちらの水晶にお手をかざしていてください。少し結果が出るまで時間がかかりますが、その間わたくしもお話相手になりますので、少しの間辛抱ください。」
この言葉によって私は1日分の生命力を削り取られた気がする。だってお話をするってことはそれだけしゃべらなきゃいけないってことでしょ?しかも全くの知らない人だし何なら違う世界の人だし。考えただけで億劫だし、相手につまんないやつとか思われる。あーなんかちょっと会話術とかが書いてる本でも読んでおけばよかった。いますぐにでも消えたい。
という気持ちを最後に考えるということをやめた。
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