第15話 なんじゃこいつら付き合いたてのカップルか?
神達が死んでいるかのように死にかけている中、神が倒れて(ねっころがって)いる場所から少し離れた場所にゆんがねっころがっている。自分の手には、タオルと水そしてなぜかゆんのジャージがある。別にゆんから盗んだとかそんなことではなく、神たちがBBQをしていた木の下の一角にどでかいリュックと、今自分が持っている、3点セットが置かれていた。なんでこれを持っているかというと、綺麗に折りたたまれたタオルやらジャージやらの上に【これを烏野ゆんまで持ってくるように】という置手紙が置いてあったからだ。別にやましいことがあって持ったんじゃないぞ!ほんとだぞ!
ーーー
てなわけでゆんへと向かって歩いている。自分はまず初めにかける言葉を決めあぐねていた。もしここで陽キャだったらなんと言うかというのを考えながら・・・
水の入ったペットボトルをヒロインの頬にあてる。するとヒロインが驚いてこっちを振り向く。そしたら、お疲れ様とか言ってさわやかな笑顔でタオルと水を渡す。
あーなんか某制汗剤のCMによくあるようなやつだな。思うんだけどさ、陽キャってみんなパーソナルスペース狭いよな。なんであんなグイグイ来れるんだマジ教えてほしいわ。
そんなことを考えているともうゆんが目と鼻の先にいる。ひとまず声をかけてみることにした。その状況を本人目線と、第3者目線で見てみよう。
本人目線
『おつかれ~持ってきてって書いてあったから持ってきたよ~はい。水とタオルね。
よしっこんな感じで行こう』
そうして話しかける。
第3者目線。
あと10歩も歩けば話す距離になるけどなんで止まってるんだろう?・・・あっ動き出した。歩き方、めっちゃロボットみたいじゃん。右足と右手一緒に出してるし。あっ笑顔作った。あれが営業スマイルってやつか。なんかしみついてるな~うその笑い方。あっ話しかけた。ちょっと遠いんじゃない?
「お疲れ様です。この紙に【烏野ゆんまで】って書いてあったから持ってきたのですが・・・」
とてもそっけなさを感じる。それに対しいて烏野ゆんと呼ばれた人物はっと
話しかけられて、肩がちょっとぴくっと動いた後、小さい深呼吸してる・・・こっちも笑顔を作ったな。なんであいつ(伸也)はこんなわかりやすい作り笑い見抜けないんだよ。烏野ゆんの顔ぴくぴくしてるんだぞ。
「ありがとう!あっタオルと着替えも持ってきたんだね。助かるよ」
「いえいえとんでもないよ。」
「「・・・・・・・・・」」
気まずい。会話がない。
そう思い何か話題をと思って、周囲をきょろきょろする。そこでタオルや水の隣にあった、大きなリュックを思い出し、それを話題の種にしようと画策する。
「「あっあのっ」」
2人の言葉が重なる。
「あっ先いいですよ?」
「いえいえそちらこそ」
・・・・少しの譲り合いがあった後、じゃあ自分から、と言って、大きなリュックのことを質問する。
「あの中には、これからの生活に必要なものが入っているの。」
ゆんによるとあの中には、雑貨をはじめ調味料、着替えなどの必要最低限なものが入っているらしい。
そこで小さな疑問が生まれたので質問してみる。
「よく準備できたね。」
その瞬間ゆんの顔が一瞬真顔に戻ったことが今でも頭の中から出て行こうとしない。
「いや~いつ災害が起こってもいいように、いつも必要な道具は、まとめてるんだ~」
そうとりつくろわれた。そのことに対して、言及しようと思ったのだが、直後にゆんから発せられた言葉に、脳内がフリーズすることになるのだった。
「ちょっと着替えるからここにいて。」
自分の耳を疑ったのは言うまでもない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます