第13話 ゆん(勇者)のステータス
「どうしたんですか?」
「どうしたのじゃ?」
技術神と二人そろってゆんのもとに駆け付ける。そこにはゆんの周りを囲む5人のサンタ《神》がいた。
こちらが近づいたことに気付いた神が口々にしゃべりだす。
「「「のお聞いてくれよ2異人技世とも界術転生神者。」」」
おかげで何をしゃべっているのか理解できない。ピタッと神たちがしゃべるのをやめる。そして顔を見合わせると、一人の神がしゃべりだした。
「聞いてくれよお二人さん。今、烏野ゆんというおなごのステータスを見ておったのだがこれが妙なのじゃ。」
そう言いながらこちらにそのステータス画面を見せてくる。
そこには・・・
ジョブ*??? 体力*??? 魔力*???
と表示されている。
違う神がしゃべりだす。
「そこでこのシステムを作った技術神に問いたい。これはバグなのかえ?」
心なしか技術神と今しゃべった神の間に火花が散ったような気がした。
「いいやこんなバグはないはずじゃ。」
そうきっぱりと告げた。
そんな神たちが話し合い?をしているさなかゆんはというと・・・
「・・・・・」
棒立ちで何もしゃべらずにいた。これまた後日談になのだが、ゆんのステータスを見た神は語る。
「いやぁあの時はこわかったのぉ~お主(伸也)のステータスチェックが終わってお主はぼそぼそ何かしゃべりながら離れて行ったじゃろ?最初はあの子(ゆん)も後ろをついていこうとしとったんじゃが、わしが『次はお主をチェックする番じゃな』とか言って引き留めたのがわるかったのかの?あからさまに目から色が消え、顔から表情がなくなったと思うと、ずっと立ちつくしておったのじゃ。なんか体から冷気みたいなのでちょるし・・・例えるとするなら、そうじゃの女房に無断で高い酒を買うたときのあの鬼の形相と同じくらいこわかったぞぃ」
まあ言ってしまえば失礼な話だが、おおむねこのような形らしい。これを聞いたとき伸也は、『ゆんを怒らせないように気を付けよう』とか思ったのはまた後の話で・・・
目の前にあるのはゆんのステータス。神々の話し合いでここまで流れてきたのだろう。ゆんのステータスを見てみたいという気持ちはある。しかし、人の内部情報を覗き見てしまう気がして気が引ける思いもある。例を出すと、人のスマホを勝手に覗き見てしまうときのこの罪悪感のようなものだろうか。
『くっ、でもみたい。』
長い
恐る恐る、ゆんのステータスに手をかざす。
・・・・・・
反応がない。
「無駄じゃよ。」
悪事が見つかって体がビクッと震える子供の用に体を震わせ、後ろを恐る恐る顔を上げる。すると6人の神たちが、こちらをじっと見ている。瞬時に怒られると脳が考える。
「このステータスを扱えるのは、ステータスチェックをした神と使用者のみじゃ。」
ひとまず怒られなくてよかった。と思うのと同時に神から言われた言葉を飲み込む。
「この技術は、おぬしらの
「ちなみにどういった機構で解除されるんですか?」
そう質問した瞬間場の空気が、やったなあいつみたいな空気に包まれた。
「えっとあれじゃあれ・・・何だったかの~」
珍しく技術神が頭を抱えている。なんかどこかをちらちら見てるのが気になるけど。
「それはわしが説明しようっ」
なんか違う神が饒舌に話し始めた。名前は魔力神とかいってたな。なんか魔王みたいな名前。
「これはのぉわしが久しぶりに地球に降り立った時の話じゃ。以前降りたときは、家電の3種の神器がどうのこうのってときだったかの?久しぶりに見る世界は変わっておっての・・・・」
ーーー
長々とした話が続いた。大体もう30分は経過しただろうか・・・あの後本題へと入るのに長い時間がかかった。神はおしゃべり好きらしい。寝なかったのをほめてほしいくらいだ。
え?ほかの神?その辺でお茶会してたよ。雑談とかしながらお菓子とか食べてさ!
「ひとまずゆんにステータスを操作してもらえば何かわかるかもしれないってことですね?」
半ば強引に話をまとめる。
「まあそうゆうことになるのぉ」
「それでその役目は自分がやるべきだと。」
「そうじゃのぉ。あのおなごわしらにちっとも心を開かないからの。」
そういわれ、ほんの数分前までゆんが立っていた場所に目を向ける。
そこには誰もいない。
自分の後ろにいるのかと思い振り返る。しかし誰もいない。
「あれじゃないかの?」
神の一人が指をさした方向には確かに何かがいる。
そしてそれは指をさした瞬間、脱兎のごとく走り出した。
それに続いて神たちもなぜか走り始める。
ここから始まる。鬼6人、逃亡者1人という鬼畜な鬼ごっこが・・・
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