第12話 陥れる神と、逃げ道をなくされる僕。
「お主には新しい魔法構文の被験者になってほしいのじゃ。」
・・・え?
頭の中に瞬時に思い浮かぶのは、
体に異常が出るかもしれない中で、毎日新薬を投薬しつつ過ごす絵。
ふと気づくと冷や汗が垂れている。自分はこの一瞬で心臓がぎゅっと締め付けられたような感覚に襲われる。
それを読んだのかなんなのかわからないが
「お主にとってメリットがないわけではないのじゃが?」
どうゆうことか質問する。
「今見ておったがお主は魔力ないじゃろ。」
そういわれて目線を下に下げる。先刻までは、Lv1000で覚える技を見ていたはずだが、ステータスは、最初の
確かに自分には魔力がない。きっと地球で生きる者には魔力反応がないのだろう。半ば自分を認めさせる。
「ちなみにお主以外にこっち《異世界》に来た人で魔力持ってないものはいなかったぞい」
前言撤回。自分に魔力才能がなかったみたいですね。
神が続けてしゃべる。
「そこでじゃ。わしの魔力を分けてやろうと思うんじゃ。うーむひとまず、わしの魔力の50分の1を授けるとするかの。」
こちらが言葉を発する前に、神の体から光の玉のようなものが飛んできて、伸也の体の中に取り込まれる。体がぽわぽわと温かくなり、収まる。
目線を下に下げステータスを見てみる。そこには
ジョブ*戦士 体力*130 魔力*10000
と表記されていた。
神がこの50倍だとすると・・・神の魔力は500000ですか。えげつないですね。
のんきにそんなことを考えていると、
「なんじゃ?10000じゃ足りないと申すか?」
どうやら魔力量に納得していないと思われているらしい。実際問題、納得していなのはこの拒否権のない、実験体への押し売りになんだけど・・・
「ちなみにわしが魔力を提供しなければ、お主の使える技はないぞぃ。なにせこの呪文設定にしたのはわしだからのぉ」
詳しく説明しよう。どうやらこの
「わしらはこの
『神は策士。手の中でうまく踊らされたということだろう。どうりでさっきからにこにこしてるわけだ・・・』
ひとまず甘んじで受けることにした。
ふと疑問に思ったことを口にする。一瞬聞いてばかりで嫌がられるかとも思ったが、これからの自分の人生にかかわってくるものである。ゆえに聞いてみることにする。
「この世界には無詠唱魔法とかはないのですか?」
「あるぞぃ例えば先から話題に上がるファイヤーボールじゃが・・・」
そう言いながら手を上から下に振り下ろすと、小ぶりの火の玉が打ち出される。
「これが無詠唱魔法じゃ。」
思わず拍手をしてしまう。神はなんか照れていた。
「無詠唱魔法は慣れと、強いイメージ、感覚、膨大な魔力このすべてがそろった状態ででしか、使えんぞぇ、1、2回いや1000回練習してもできるかどうかというレベルじゃ。ゆえに、無詠唱魔法を唱えられるやつはなかなかの手練れだと思ってよいぞ。」
ーーーー
「こ、これは。」
「どうゆうことなのだ?」
「バグなのではないかの?のぉ技術神?ってどこ行った。」
ゆんの周りに神たち5人が群がっている。たしかゆんも今、ステータスチェックを行っているはずだった。なにかトラブルでもあったのだろうか?
隣にいた技術神を見て、頷きあう。理由はさておき、どうやら早く向かいたいという気持ちは同じらしい。
ひとまず、ステータスを非表示にするのを忘れつつ、ゆんのもとへと走ってゆくのだった。
ーーーーーー
更新遅れてすみません!家庭内での忙しさと、話の整理に思いのほかてこずり更新が遅くなりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます