第11話 神から持ち掛けられる商談
「どうじゃ?何かおかしいところはないかの?」
突然耳元から神の声がする。驚いて声のした方向へ顔を向けると、一人のサンタ《神》がいた。
ーーー
「このステータス表はのう、わしが作ったおりじなるなのじゃ。」
あっオリジナルという言葉を使い慣れてない人が発音に苦労してるよ。
「この世界にも
話を聞くに神たちはステータス管理をはじめ、環境把握、情勢調査など様々な職業があるらしい。そして、自分の横で急に話しかけてきたのはその中のステータスデザイン、魔法名発案をしてるんだとか・・・
「よろしくの」
自分に向かって手を振ってくる。目の前で振られても困るんですけど周りこの
「皆からは技術神とかと呼ばれておるぞ」
しっかり神一人一人に名前あったんですね。名前暗記が1番苦手な自分に覚えられるかどうか。そして見分けられるかどうか。(神は顔は多少違えど体格は同じ、そして恰好はみんなサンタ。)
そんなことを考えているうちに技術神が話を進める。
「お主が今見ている、ステータスの呪文もすべてわしが名前を考えたのじゃ。聞くついでにわしの悩みも聞いてくれんか?」
神がキラキラとした目つきでこちらを見つめてくる。ちょっと威圧感が抜け切れてないんだけど・・・
ーーー
この神の話によると、今の世界では呪文の長文化に悩まされているらしい。
「例えば先ほどお主がのステータスに書いてあったファイヤーボール。あれを今魔法使いが使う魔法構文に直すと、こうなるのじゃ。」
神がぶつぶつしゃべりだす。ちなみに魔法構文は古代語と呼ばれる、いわゆる昔の世代が使っていた言語がそのまま受け継がれているらしい。くさび型文字みたいな?ちょっと違うか。
以下魔法構文の直訳(後で
空、地、海、すべての神よ。我の願いをききたもう。我が前の空間に火を起こせたまえ。その火を丸とすることにより天にこの火の玉を放ちてもよいか。
聞いたところによると、天地空の創造神みたいな人に取る、いわゆる許諾が魔法構文と一般的に呼ばれるものらしい。
そして弱、中、強と強さが変わっていくうちに魔法構文も長くなってゆくんだとか。
「わしらは長いこと生きてきたからのぉ意味を理解しながら魔法を唱えられるんじゃが、この
そういって目を伏せる神。まさに民のことを思っての言葉だろう。
まあ自分には関係ないんですけどね。
総じてまとめると、一般人には古代文字にしか読めないため、長い文を間違えることなく、暗記するのだそう。あぁ考えただけで頭が痛い。くわばらくわばら。
ーーーー
続けて技術神は言う。
「そこでじゃ。おぬしにも協力してほしいことがあるのじゃ。」
『あっめんどくさいことを押し付けられそう。』
直感で理解する。だが逃げるには遅すぎた。
「お主には被験者になってほしいのじゃ。」
神は淡々と自分にそう告げた。
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