第7話 理由

「おい!!合わせろよ!!」


中学に入るとハンドボールをやりたくてハンドボール部に入ってくる人は少なかった。


強制で部活動に参加しなくてはいけないので、今までがっつりやっていなかったハンドボール部はとりあえず入っていればいいという人が集まる部活になっていた。


経験者は俺1人。

確実に浮いていた。


そして最後の大会。

対戦相手は畑さんがコーチをしていて、何人ものチームメイトが一緒に行った中学校だった。


試合の結果はトリプルスコアで負け。

チームの得点も俺が取った10点だけだった。


試合後、畑さんに呼ばれた。


「なんですか?」


「ひどい試合だったなー笑 これじゃ三流だわな笑笑」


俺は、ヘトヘトだったが畑さんの胸ぐらを掴む。


「1人で10点取ってんのに、三流ってなんだよ!! 俺だってそっちのチーム入ってたらもっと出来るわ!!」


悔しくて、泣きながら怒鳴り散らした。


「あー、やっぱり三流だわ。俺は小学校の時から一流のヒントあげてたのに」


そういうと畑さんは、ロッカールームへ手を振りながら立ち去っていった。


裏切られた様に感じた。

そして、一流になって畑さんを黙らせてやろうと高校、大学と全国に出て名前を広めていった。


だが、結果は三流よりは上だが二流として、選手を辞めてしまった。

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