第3話 1年後②

金曜日は社会人に取って最も楽しい日だと思う。

店内が煙で何も見えないような焼き鳥屋でビールを飲みながら人が来るのを待っていた。


「旭さーん!!久しぶりです!!」


大学の部活で後輩だった肇が大声で迫ってきた。


「本当に久しぶりですね!!社会人どうですか?僕ももう少しで社会人なので!!」


「楽しいよ。相変わらず人には恵まれるし」


肇は俺達の代から試合に出ていて、俺がセンターで肇がポスト、常にパスを狙っていたポジションだったので、1番信頼していた仲間だった。


「僕4月から社会人の一部リーグで試合するんですよ!だから人集めてて、是非旭さんもと思って~」


「もう1年やってないから無理だよ笑」


「大丈夫ですよ。社会人なんでお遊びみたいなもんですよ笑」


「そんな感じならやってもいいかなー。じゃぁ俺もやるよ。」


「わかりました!!今からチームの人に連絡しときますね。」


ハンドボールはもうやらないと思っていたがお遊びで楽しくやるならいいと思ってOKした。


勝ち負け関係なくみんなでワイワイ。

草野球みたいな感じをイメージし、逆にワクワクしている自分がいた。


「もしもし。畑さん?

旭さんOKだそうです。やりましたね!」


畑?

とてつもなくよく聞いていた名前が聴こえ、肇に確認しようとしたが、肇が会社のことについて沢山質問してきたため、聞かずに終わってしまった。

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