第2話 1年後①

最後の試合から1年たって、俺はバリバリの営業マンになっていた。


「旭、昼飯食べにいくからついてこい」


上司の高木さんがいつもの様に声をかけてきてくれる。高木さんも体育大出身でインカレでレギュラーを張っていたバリバリの体育大出身者だ。


「高木さん今日もまたあの定食屋ですか?」


「当たり前だろ!お前足りないだろ」


「足りないどころかもう選手でもないのに吐くまで食わされるって。。。」


「そういうなって笑」


これが体育大のノリである。

ご飯は特盛おかずは山盛りの行きつけの定食屋に今日も足を運ぶのであった。


「旭は何で実業団行かなかったんだ。結果は残してたんだろ?」


「高木さんも何でプロいかなかったんすか?」


「そりゃ、声がかからなかったし、上手いやつがいっぱいいたからな」


「同じですよ。自分二流なんで」


「それ俺のことも二流っていってる?」


「自分はの話ですよ笑」


この会話を何だかんだで毎日の様にしている。心残りがあったが、逆にこうやって二流って自分で言った方が楽だった。

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