二流の彼方へ

じっくりコトコト

第1話 一流

ーー試合終わりのブザーがなる。


「これで16年間終わりか」


ハンドボールインターカレッジ大会ベスト8をかけた試合。点差も15点差開く大敗で、ましては1人の選手に18得点を許して負けるという結果に終わった。


ハンドボールはバスケットと違って1点ずつしか入らないスポーツなのに1人に18点取られるのは相当である。


「これは敵わないわ。さすが一流」


そう思いながら、インタビューされている日本代表に選出され、実業団への内定も決まっている佐瀬を見て最後のコートを後にした。


これが一流。

高校大学と全国へ出て、メダルも取っている。アンダー代表だって途中のカテゴリまでは佐瀬と一緒だった。


なのに自分はそこまで。

二流だったということを痛感し、選手生命に幕を閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る