第143話 結婚のあれこれ
2023年7月某日、私、白武士道は結婚いたしました。
皆様におかれましてた多大なるご支援を賜り、心より感謝とお礼を申し上げます。
今後も、夫婦ともどもご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
と、堅苦しい挨拶はこれくらいにして。
……いやあ、この私が結婚するとは。人生わからないものですね。
自分で言うのもなんですが、私は変な人間です。
漫画や小説を書き始めたころから――ただ娯楽を消費するだけではなく、娯楽そのものを生み出したいと思い始めたころから――人並みの幸福は難しいだろうなと漠然と感じていました。
何かを創る。そして、それが承認される。
この快楽を一度味わってしまったら最後、いくら美味しいものを食べても、面白い映画やアニメを見ても、その代わりになりません。
ヲタ風に表現するのであれば、創作することでしか得られない栄養がある、と言ったところでしょうか。
しかし、得てして創作とは時間を貪るもの。
何かを創ろうとすれば、自由になる時間の大部分を注ぎ込まなくてはなりません。
もちろん、私には創作以外の趣味もたくさんあります。時には創作そっちのけで趣味に没頭することもあるでしょう。ですが、創作でしか得られない快感を知っている私は、完全にそれを断ち切ることはできない。私の人生における自由時間の消費割合は、創作をしない他の人よりもとても窮屈なものなのです。
デートするくらいなら創作するわい……とまでは言いませんが、創作時間を犠牲にしてまでデートしたいかと、ちょっと悩んでしまう。一回や二回ならともかく、関係が深まって恒常化すれば、いずれは天秤にかけざるを得なくなる。
その時、私は相手を優先することを選べるだろうか。断言できないような中途半端な覚悟で、人と付き合えるだろうか。いや、それは無理だろうな。相手に対して、あまりにも不誠実すぎる。
なので、私の人生において、結婚なんて真っ当なイベントなんて起こるはずはないと思っていたのです。
ところが……知らず知らずに私が真人間になっていたのか、それとも世の中が変人に寛容になったのか――あれよあれよという間に結婚しちゃってたんだZE☆
後悔など全くしておりませんが、いったいどうしてこうなった。
結婚は勢いとは母の言葉ですが、日々、人生のままならなさを身をもって体験しているところです。
唯一、心残りがあるとすれば、結婚の段取りを優先して、せっかく参加した第五回ドラゴンノベルス小説コンテストを放棄しちゃったことでしょうか。応援してくれた皆様には申し訳ない限りです。
このエッセイを書いている時点では、まだ新生活は完全には始まっておらず、諸々の手続きに追われている段階です。9月中旬には落ち着くと思われますので、再始動はそこからでしょうか。気長に待っていただければと思います。
ところで、結婚についてはSNS等でも報告させていただいたのですが、その時は私、入籍という言葉を使っていました。
……が、どうも、この入籍という言葉は正しくないらしい。
つい先日、生命保険の契約内容変更で保険屋さんとやり取りをしていたところ、経緯を説明する際に『実は入籍しまして……』と伝えたところ、先方が『ん?』という顔をされたんですよね。
『入籍って結婚したことの柔らかい言い方だと思っていたのだけれど……もしかして、誤用なのか?』
そう思って、よくよく調べてみたら、案の定、結婚と入籍ってイコールじゃないんですって。初めて知った。
『結婚』は夫婦となる二人がそれぞれの親の戸籍から抜け、新しい戸籍を作ること。
それに対し、『入籍』はすでにある戸籍に戻ること。
例えば、結婚して離婚した際、子供の戸籍を父親の戸籍から母親の戸籍に移す場合や、子連れで再婚した際、自分の戸籍に入っている子供を、戸籍の筆頭者になる相手の戸籍に入れたい場合などに使うのだとか。
それでもなお、結婚報道などで『私たち、入籍しました』というような表現が使われるのでは、そのほうが丁寧に聞こえるから、とか、女性は結婚したら男性の家に入るからというイメージが強かったからだそうです。
私は初婚なので、今回で初めて戸籍筆頭者になりましたし、また、相手の家にも入っていませんので『入籍』という表現は不適切。
ううむ。この歳までそんなことも知らないとは……本当に恥ずかしい……素直に結婚しましたって書けばよかった……。
まあ、こういう粗忽なところも私らしいのではないかと考える今日この頃。
創作者としても所帯持ちとしても未熟者ではありますが、これからも応援してやってくれると嬉しいです。
……ところで、『白武の結婚秘話』とか『100日後に結婚する白武』とか書いたらだれか読んでくれるんですかね?
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