第141話 ドラゴンノベルス小説コンテストのあれこれ(4)

 ご無沙汰しております。白武です。


 先日、新約・少女剣聖伝の壱の太刀「無名の堕剣編」の終了をもって、どうにかこうにか10万字に到達。最低限のラインは突破したので、ちょっと一安心ですね。


 次の章は完全新規エピソードを予定しています。

 これまでと違って一から執筆しますので、毎日更新など不可能だと先に宣言しておきます(何を情けないことを……)。


 6月に入って、ドラゴンノベルスコンテストも後半戦に差し掛かりました。ここで更新が不定期になってしまうのはかなりの痛手ですが、せっかく新約として生まれ変わったのですから、旧約とは違う試みにチャレンジしたいと思っています。


 再開まで暫しお待ちを。


 さて、現状報告はこれくらいにして本題に移ります。

 先日、イラスト方面で懇意にさせていただいている絵師の犬茶さんより、またまた設定画を頂きました。


 詳細は以下のアドレスへ。


https://kakuyomu.jp/users/shiratakeshidou/news/16817330658698807996


 ローザ、リリアムに続いて、今回はヴィオラの衣装設定です。


 これまでの和風テイストは継承しつつ、たすき掛けとエプロンで前二人とはまた異なる個性的な出で立ちをしています。


 犬茶さん的コンセプトは『板前』だそうな。

 左と中央は確かにそんな感じがしますね。作中で明記されたカラーリングを忠実に再現した結果でしょうか。ローザとリリアムの衣装の色合いは作中では表記していませんが、ヴィオラだけはメイドであることを強調するために白と黒と書かれていますからね。肌の色も褐色で何とも男前です。


 逆に右は可愛いらしい感じですが、メモでも書かれていますが、敢えてようにしてあるあたり、ヴィオラのことを良く分かっておられます。


 ちなみに、これは旅装束だからであって、伯爵家で働いている時の姿は純粋な和メイドっぽいものになるのだとか。そっちVerも見てみたいですね。


 ちなみに、犬茶さん曰く、服の下に着ているのは網タイツではなく鎖帷子くさりかたびらだそうな。


 ローザリッタが金属鎧、リリアムが革鎧とアーマー娘が続いていたので、ヴィジュアル的に差別化を図りたかったのだとか。


 ちなみに、私はヴィオラの装備面はまったく考えておらず、「こいつはメイドであることを誇りに思っているから、旅先でもきっとメイド服だ」くらいの認識でした。よくよく考えれば、ローザがあんな感じですから、ヴィオラも何らかの防具を纏っていてもおかしくないですね。鎖帷子ならメイド服の下にも着込めそうですし、犬茶さんのアイディアは妥当なものと思われます。


 しかし、網タイツも退魔忍っぽくていいのでは?


 ああ、そうそう。

 少し、頭髪についても触れておきましょう。


 作中ではヴィオラの頭髪はすみ色と記載していますが、犬茶さんはそれを承知したうえで紫がかった配色にしているそうです。設定上は黒髪ではあるけれど、全体的に黒の比率が高くなりすぎたためにバランスを取るためとのこと。


 それ自体は全然OKな範疇。

 元より、ヴィジュアルと設定では差異はあるもの。

 例えば、旧世代のギャルゲーのヒロインなどは赤や緑や青といったエキセントリックな髪色が横行していたものですが、どこかの作品で「あれはプレイヤー向けにわかりやすく演出しているだけであり、染めているなどの指摘がない限り、実際はみんな黒髪だ」的なメタ発言があったりしています。


 なので、髪色がすみれ色だからと言って間違いではありません。

 むしろ、菫色を選ぶあたりがとても善い。


 ヴィオラの名前の由来はスミレ。

 ローザリッタのバラ、リリアムのユリに並ぶよう、花にちなんだ名前にすることは当初から決まっていました。


 この場合のヴィオラ=スミレは、園芸用に品種改良されたパンジーやビオラではなくスミレ科スミレ属の総称を意図し、野生種としてのスミレを指します。


 孤児(路傍ろぼうの花)に過ぎなかったヴィオラと、貴族の娘(高嶺の花)であるローザリッタと対比するために、敢えて雑草という意味合いを持たせました。


 余談ですが、旧約のヴィオラ外伝で登場したフィアールカ(通称フィア)も、ロシア語でスミレを意味します。二人は生い立ちが似ているので、名前も同じ花に由来するものにしたかったのですね。

(ちなみに叔父さんのローリィの名前の由来はロリでもロリコンでもなく、園芸愛好家を指すフローリスト。フィアールカを育てる者という意味です)


 また、古代ギリシャではバイセクシャル女性やレズビアンの人は同性愛感情を向けた相手にスミレの花を贈っていたそうで、そういった意味では、リリアムがヴィオラとローザの関係を邪推しちゃうのも無理はないのかも。


 ちなみに、原作表記のすみ色ですが、これにも私なりにこだわりがありまして。


 スミレという花の名前は、その形状が墨入れ(墨壺)に似ているから、そう名付けられたのだという説があります。なので、黒髪ではなくすみ色の髪と表現したかったんですね。そんなの誰が気づくか、と言われればそうなんですが。


 しかし、こうやってヴィジュアルが具体化してくると、私もイラスト描きたくなってきましたねぇ(本末転倒)。

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