第121話 性的描写のあれこれ(3)

■前書き


 この表題でエッセイもどきを書くのは、いつぶりだろう?


 遡ってみたら、性的描写のあれこれ(2)の投稿が2019年11月12日。

 実に三年ぶりというじゃありませんか。昔は一週間に一回くらいはエッセイも更新できていたはずなのに、それが最近じゃ一ヶ月に一回も厳しいとは……。


 それにしたって、久しぶりに書いたエッセイの表題がなぜ「性的描写のあれこれ」なのか?


 私の近況をご存知の方もいるでしょうが、仕事の息抜きとして、趣味のMTGをもっと豊かにするための活動として、それにまつわるイラストを描いては某SNSで公開する日々を送っておりました。


 さらに、半年ほど前からそうやって描き溜めたイラストを、保存を目的に某掲載サイトに掲載するようになってからは、お陰さまでSNSでの繋がり以外の方々にも見ていただけるようになり、そこからもたらされる「いいね」は、創作活動こそを生き甲斐とする私の承認欲求を大いに満たすものとなりました。


 もし、これがなかったら、既に私は小説を書くこと自体を忘れて、社会を構成する真人間しゃちくとして生きていたかもしれません。


 しかし、見てもらえるとわかってしまうと、もっと多くの人に見てもらいたい=PV数を伸ばしたいと欲が出てくるもの。私に絵描きの才能がないのは百も承知なのですが、あくまで創作活動における経験の一環として、その瞬間的な限界値を求めてみたくなったのです。


 では、いかにしてPVを伸ばすのか。

 画力を上げる? 読者の需要を把握する?

 いずれももちろん大事なこと。しかし、それらを――特に前者を――十分に成長させるには莫大な時間と労力が必要となり、それだけの手間暇をかけることができる日々を送っているのなら、そもそも小説の続きを書くことだってできるっつー話ですよ。


 なので、もっとお手軽な方法でPVを伸ばすことはできないものか。

 いや、考えるまでもないのです。だって、私はその答えを知っている。確証があると断言できる……が、よくよく考えたらデータとしては持ってないや。じゃあ、実際に検証してみよう。



■検証方法


 ――ということで、えっちな絵を描いてみました☆


 うーん。実に十数年ぶりだ、ここまで露骨な裸体を描いたのは。

 学生時代に同人ゲームを作ろうとしていた時以来か。結局完成はしなかったけど、メインシナリオと立ち絵とイベントCGのデータはまだあるんだよな。いま見返したらゲロ吐いて、目から血が出るけど。


 ……それはそれとして。


 かつて「性的表現のあれこれ(1)」で書いたように、どう言い繕っても大多数の人間は人間は性に対して強い関心を持っています。「可愛いは正義であれば、エロは神」と仰った御方がいらっしゃいますが、これはまさに至言。エロ要素を付け加えるというのは余分なものではなく、立派な宣伝の一環。どれだけこだわった面白い作品でも手に取って見てもらえなければ意味がない。自分を知ってもらうために、作品をエロくするというのは、まず作品を見てもらうための手段の一つだと思う。


 要するに、画力の低い私のイラストであっても、エロ要素を足すことでPVを伸ばすことができれば、その実証となるのではないでしょうか。


 ここで重要になるのが、オリジナルで勝負することです。

 強い固定ファン層が存在する、いわゆる二次創作系を題材にすればデータの確度がぶれます。エロに関心があったのか、版権作品に関心があったかわからなくなるからです。なので、それ系のタグは使いません。一次創作で、単純に私の画力に性的要素だけを付与します。


 そして、集計時間は24時間にしました。

 これには深い意味はなく、単純に長い時間をかけた計測は面倒だからです。スタートダッシュでぶっちぎるくらいじゃないとエロが有効な実証にならないでしょうし。


 参考の数値として、私のこれまで掲載したイラストの初日PVはだいたい10~15前後だったりするので、その三倍くらいの結果が出れば十分じゃないかな。



■結果発表


 そんなわけで、私の恥ずかしいイラストが4月9日23時に投稿されました。

 そこから24時間後に確認したPV数は……157。


 オリジナル健全絵の初日PVと比較して、およそ10倍差です。

 個人的に、これはかなり驚異的だと思いました。だってですよ。私程度の画力で、単にR-18というだけでこれだけの数字を出せるんですよ。いや、150PV程度で何言ってんのって話かもしれませんが、むしろ、そのくらいの力量しかない人間が数字を増やしたことが重要なのです。


 えろのちからってすげー!


 性的表現を駆使すれば、人の目に止まるということが実証されたわけです。

 参考になりましたか?

 いや、ここはカクヨムで小説のサイトなので、イラストの閲覧数の増減傾向の情報なんてなんの助けにもならないのですがね(ここまで書いておいて)。







 ……そして、落ちですが。

 わざわざこんなことしなくても、手元にデータがありました。というか、この記事を書いている途中で発見しました。


 なんと。この「創作活動におけるあれやこれや」のエピソードの中で最も読まれているのが「性的描写のあれこれ(1)」。この時点でぶっちぎりの503PV。他のエピソードはせいぜい20とか30なのに。


 ほーら、やはり人類はエロが好きだったのだ。

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