第110話 ゲテモノのあれこれ(5)

 真剣を購入しようか、真剣に検討中。

 近所……ではないのですが、車で30分程度で行ける古物店で日本刀(登録証有)を取り扱っているのを発見し、資料として一本くらい保有しておきたい気持ちが芽生えました。


 模造刀、模擬刀の類は三本ほど所有しているのですが、やはり実物にも触れてみたい。手入れの道具も技術もまるで持っていない私ですが、「真剣を所有し、実際に扱ってみた」体験料として支払ったとしても納得できる……くらいの価格だし。


 とはいえ、数年前より熱を帯びたTCG収集のおかげで私の財布は常に火の車。ここで更に資料目的で管理の難しいものを購入するのはいかがなものか。ボーナスが出たら考えよう。


 資料と言えば、前回発見したジビエ料理店に行ってまいりました。

 今回食べたのは、イノシシ、シカ、キジ、イノブタ、ウサギの五種類。クマは残念ながら品切れでした。一番の楽しみだったのに……。


 以下、ざっくりと食べた感想。


◆イノシシ

 猪肉はこれまでにも何度か食べる機会がありました。

 友人Iの職場の関係者に猟師の方がおられまして、その方が仕留めたものの一部を譲ってもらって調理したことがあります。なので、改めて調査する必要もないのですが、せっかく品書きに並んでいたので注文。

 

 うん。硬い。

 獣肉の臭みはどれだけ血抜きが巧くできたかによるそうですが、さすがお店に並ぶだけあって臭みは少ない。普通に食べられます。けれど、そんなことはどうでもよくなるほど硬い。いかにも肉食べてるという感覚。分類的には豚の仲間なのに(正確には猪の仲間が豚)、牛肉を食べているんじゃないかってほどの肉感。


◆シカ

 品書きにはニホンジカとエゾジカの二種。もちろんどちらも注文。

 これまで食べた獣肉の中では馬肉に近い。どちらも草食性だからでしょうね。イノシシを食べた後だったから、どちらもひたすら柔らかい。


◆キジ

 雉も鳴かずば撃たれまい、とか、男性が用を足すことをキジ撃ちと呼ぶほど、昔から食べられていたお肉。お隣の韓国でも「雉の代わりに鶏」という諺があるほど人気の食材だったようです。とはいえ、私は食べたことがないので注文したわけですが。


 私が食べたことのある野鳥はカモ、スズメ、ウズラくらいですが、キジも含め、鳥類はだいたい同じ味がします。それだけ私の味覚が鈍感ということかもしれません。つまり、美味しかった。


◆イノブタ

 イノシシとブタの交配種。味もそうでした。雑な感想ですみません。


◆ウサギ。

 そして、今回一番資料になりそうなウサギ肉。

 ファンタジー世界の住民が家畜以外で最も口にする肉ではあるまいか。


 イノシシもシカも体重が100kgを超えることもある立派なモンスター。捕えて食べようとすれば命を落とす危険があります。

(特に、イノシシがどれだけやべぇ生き物なのかは、ファウナの庭・外伝「せめて焼きたての魚を」で語っておりますので、よかったら一読されてください)


 それに比べ、ウサギは比較的安全に立ち向かえる獲物。脱兎のごとくという言葉があるように逃げ足は速いでしょうが、対峙して命の危機に晒されるようなことはおそらくありません。


 見た目は鶏。食感も鶏。一羽、二羽と数えるのも納得。

 鶏肉に比べ結構、歯ごたえがありました。やっぱり跳んだり跳ねたりする筋肉質だからか。味もあっさりしていて、癖が少なかった。ものの本には脂が少ないと書いてあったけれど、口の中で肉汁がめっちゃ出てきました。味付けは塩が一番美味しかった。


 いずれももう一度くらいは食べてみたいところですが、それにしても、この経験を作品に落とし込む日はいつ来るのか。


 この数ヶ月、私の生活にも大きな変化がありまして。異動を含めても、人生においてそうそうない怒涛の半年間だったと思います。


 落ち着けば、また何かしら書いていきたいと思っておりますので、長い目でお待ちいただければ幸いです。

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