第94話 理想と現実のあれこれ
ツクツクボウシが鳴く時期になりましたね。
ついこの間、セミが鳴き始めたと思ったばかりだったのに、もう夏が終わろうとしている。セミの一生が短いのか、それとも私の感覚が早いのか。
異動がほぼ確定して落ち込んでいる私を見かねた知人が、カエルと一緒に虫を食べさせてくれる居酒屋を見つてきてくれたので、月末に一緒に行こうという話になったのですが……向こう方の職場で忌引きが発生し、その穴埋めで行けなくなりました。
不幸は重なる物。ゲテモノ食レポを楽しみに今月生きてきたのになぁ……。
え? 一人でも行けばいいじゃないかって?
私ってば、映画館とかカラオケとか一人で行けない人間なんですよ。飲み屋さんもそうです。マックとすき家には行けるんですが。ハンバーガーの回で語ったように、もともと外食文化がない家で育ったもので、一人で外食に行くという習慣がこの歳まで身に付かなかったのですね。
だからこそ、日頃からセルフステイホームな私を連れ出してくれる友人たちには感謝しかありません。彼らが私を引っ張ってくれるからこそ、経験や知識が増え、物を書くことができている。
知人とは9月末にまた休みが重なるので、その時こそ……。
その頃には異動先でへとへとになっていそうですが。
ところで、最近はイラストを描いています。
小説はどうした。いや、言い訳させて。最近SNSを始めたのですが、プロフィール画面のアイコンとかヘッダーとかに借り物の画像を使いたくなかったのです。
著作権云々もありますが、これまでずっと創作でやってきた人間。これでまったくイラストが描けないのなら諦めもつきますが、昔取った杵柄があったら自分でやってみたくなるじゃないですか。
それにしても、絵の力はすごい。
日々の出来事を無秩序に垂れ流しているだけのSNS初心者ですので、まだ自発的にフォロワーを増やそうとかはしていないのですが、時折、イラストを乗っけるだけで色んな人が足跡を残していく。そんな大層なものでもないというのに。
読むという、大なり小なり読者の教養に左右される間接的な理解ではなく、誰が見ても直接的に伝わるド直球の破壊力故の現象。カクヨムの機能にもぜひイラスト投稿を増設してほしいもの。今のところ運営は考えていないようですが。
というか、改めて私ってば器用貧乏だと痛感する。
小説、イラスト、ちょっとしたプログラムだってできるけど、どれも武器と呼べる精度に至らない。万能兵器は無能という言葉があるけれど、創作界隈においては「これしかできない!」っていうタイプが頭角を現すのが摂理。
突き詰めた「これしかできない!」が書き手の個性となり、作品の魅力に直結する。誰にでも書けるものではなく、その人にしか書けないものに昇華される。
私にはそれが無い。
もっとも、現実の職務ではその「とりあえず何でもできる感じ」が重宝されて、それをより高めるためという趣旨での異動なんですがね。誰も頼んでねぇっての。断り切れなかったのは社畜の性です。
本当に欲しいものは。本当に成りたい自分は。
いつだって現実とは真逆の形をしているんだなぁ。
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