第11話 好きなもののあれこれ(2)

 ゲームが好きである(結論)。

 人生で最初にプレイしたのはスーパーマリオワールド。格ゲーならストⅡ。パズルゲームならばぷよぷよ。シューティングアクションでいえばロックマン。生粋の横シューならR-TYPEの移植版。有名タイトルはそれなりに遊んだと思う。


 とはいえ、私はそこまで巧くなかった。下手の横好きレベルで、友人とそういった競技性の高いゲームで遊ぶと負けてばかりだった。こういったところでも劣等感丸出しである。


 そんなわけで一人でもできる、むしろ一人でじっくりプレイすることが推奨されていたRPGにのめりこむようになったのは、自然の成り行きではなかろうか。


 初のロープレはアクションRPGの傑作「聖剣伝説2」。

 これをプレイしなければマナという概念や精霊、モンスター、エクスカリバーを始めとする神話、伝説の武器に興味を持たなかったに違いない。そして、バグった時の悔しさで涙を流すこともなかっただろう。


 続編の「3」も大好きだ。

 大好きというか、愛している。

 正直に白状するが――私の初恋の人が、主人公の一人であるリースだからだ。


 燃え上がるローラント城を背に、悲愴な面持ちで歩き出したリースの一枚絵に恋い焦がれた。もっと正確に言えば、彼女のむき出しの太腿に。

 いやー、あの露出で王女は無理でしょ。性の目覚めという意味でいえば、彼女の存在はとても大きかった。露出でいえばアンジェラも大概だが、どういうわけかぴくりともしなかった(どこが?)。

 お姫様なのにばりばり前線で戦っていた衝撃もあったかもしれない。

 え? 初めて手に取ったライトノベルが白武の中の戦闘女子の先駆けじゃなかったのかって? それについてはちょっと補足。剣や刀を使っているところが珍しかったのだ。剣や刀というのはどうしても男の武器というイメージが強くて。


 余談ではあるが、絵が初恋であるという事実に私はひどく苦悶していた。「もしかして自分って普通と違う?」みたいな。


 しかし、ある時、「二次元が初恋じゃダメですか!?」とラジオでとある声優さんが激白するのを聞いたことで、「よかった! 私だけじゃない!」とようやく心の整理をつけることができた。

 なので、今は堂々とリースが初恋の人だと主張している。ちなみに、その御仁の初恋はるろうに剣心の剣心だったらしい。

 来年あたりにリメイクが出るので、リースのためだけにPS4を買おうか迷っていたりする。


 さらに余談ではあるが、二次元における二番目の恋はF.E.A.RのTRPGパワープレイ・プログレスの表紙の女の子。なんと限定的かつ局所的。未プレイなので詳細はまったくもって知らないが、ゲーム雑誌で紹介されているメインヴィジュアルにノックアウトされた。どうにも私は清楚系金髪に弱いようだ。


 他にも、心に残る名作としてクロノトリガーやFF6が挙げられる。


 タイムトラベル系SFの代名詞と言えば、一般的にはバック・トゥ・ザ・フューチャーなのだろうが、私にとってはクロノトリガーだった。時間変革ものとしても素晴らしい出来栄えだし、その裏にガイア論的な思想が入っているのも実にストライクだ。


 特にラスボスの最終形態が人型であることは私的には衝撃の一言。恐怖と言い換えてもいい。世界の敵のカタチが人の姿をしているというのは、人間って何となく善い存在だよな、と根拠のない思い込みがあった当時の私からすればホラーである。

 いや、往々にしてラスボスっていうのは人型をしているか、でっかいモンスターかの二択ですがね?


 世界崩壊ものが好きなのはFF6の影響だろう。私は友人からネタバレされていたので、魔大陸でシャドウをロストしたことは一回もない。また、カイエンの必殺剣に中二っぽい名前をつけていたのは誰もが通る道だと信じたい。

 ちなみに私はティナ派で、友人Sはセリス派。こういうところでは合わないな。


 当時のRPGの優秀なストーリーたちに魅せられなければ、そもそも私は小説を書こうとか、それ以前に小説を読もうとさえしていなかったかもしれない。これらの作品に立ちに対する思いは、今となっては感謝しかない。


 現在は全盛期ほどゲームをしていない。

 残念ながら、かつての勇者は架空の世界の問題よりも、現実の世界の問題に立ち向かわなくてはならなくなったらしい。

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