第5話 空色という表現のあれこれ
私は作中において「空色の瞳」という表現をしばしば用いる。
主に、青い目をしたキャラクターの美化する目的で使用しているが、これにも理由があることをご存知だろうか。
え? 知るわけないだろう?
仰るとおり。そういう筆者のどうでもいい拘りを吐きだす場所として、わざわざエッセイを書き始めたのだから。
さあ、どんどん益体もないこと書いていくぞー。げろげろ。
さて、空色の瞳という表現に対するこだわりは二つ。
一つは、私がHP時代に書き上げた人生初の長編小説「空色の瞳」に由来する。
金髪ポニーテールのロリっ娘剣士が主人公なのだが、このタイトルは彼女の瞳の色から取られている。
実はHPにアップする直前まで納得のいくタイトルが決まらず、とりあえず捻り出した表題であるではあるが、結局改題することなく、現在までこのままだ。
最初期の作品ながら、物書き仲間の間では白武作品の中で上位に入っている。
言うことはだいたい一緒。「粗削りだけど、熱さがある」。
今の白武作品は技術的に向上したものの、小さくまとまりすぎていて、昔のようながむしゃらさがないのだそうな。……悲しい。
とはいえ、私自身も好きな作品であることには違いない。
何せ、生まれて初めて書いた長編小説だ。思い入れがないはずがない。少女剣士=ポニーテールというデザインはこの頃からの伝統なのだ。ついでにいえば、ライバルが銀髪赤眼だったりするのも伝統である。
え? 炊き立てご飯の師匠は黒髪ロングだったじゃないかって?
さすがに二十四歳は少女とは呼べないでしょう……。
もう一つは、「地球の隠喩表現」である。
眼球と言うのは文字通り球体。それが青いとなれば、イメージするのは一つしかないだろう。
もう少し詳しく語るならば、私は生命の色は青と考えている。
MTGをやっているくせに……と思わなくもない。あのゲームにおいて生命の色って緑だから。それはともかく。
生命の色を青と考えているのは、生命は海から誕生したからだ。
しかしながら、賢明な諸兄ならば気づくだろう。そう、海の水は透明である。あれは空の色を映しているだけだ。水色は水の色を表わしていない。
では、視点を変えてみよう。
海が青いのは、空が青いから。では、なぜ空は青いのだろう。
(夕焼けの赤、夜空の黒、黎明の白なんかもあります。あえてですよ、あえて)
結論から言えば、太陽光の拡散だ。
波長が短い青色は大気中の粒子に衝突し、あちこちに拡散する。それが空いっぱいに広がって青く見えるのである。
つまり、空が青いのはこの惑星に大気が満ちているから。
それだけではない。大気があるからこそ地上は有害な宇宙線から守られ、水が循環して雨が降る。
水だけでは足りない。
空と風があったからこそ、この世界には命が芽生えたのである。
それ故に、私は空の象徴たる青色を生命の色だと捉えたのだ。
あ、原初の地球には酸素はなかったはずだろ、とかそういう真面目なこと言ったらダメですよ。あくまで雰囲気、雰囲気なんですから!
作中で「空色の瞳」をしていると明言されているキャラクターは何らかの惑星的な加護を与えられた存在であることを意味している。
そう、主人公補正だ。
ファウナの瞳が空色なのも、ローザリッタの瞳が空色なのもそういうことだ。炊き立ての「僕」については考えていなかったけどな。もし作中に色指定がなければ同様に空色だと思われる。
もちろん、だからと言って青い目のキャラクターばかりを主人公にする気はないのだが、そういうことを考えながら執筆していると思ってほしい。
まあ、地球の隠喩表現と言っても、超飛行少年のタテガミオーケストラにて歌われる「青く光る左回りのシャボン玉」に比べれば幼稚だと思いますがね。
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