第4話 スリーサイズについてのあれこれ

 自分語りが終わった瞬間、これである。

 そんなんだから、新作を書くたびにセルフレーティングで性描写項目をクリックしなきゃならなくなるんだ。


 そういうわけなので、大変お手数だが、もう一度レーティング欄を確認してから以降を読み進めてほしい。


 では、話を始める。

 拙作を拝読して下さっている諸兄はご存じだろうが、私は同時に掲載している設定資料集で各キャラクターのスリーサイズについて触れている。


 これは別に、私が常日頃から女体のことばかりを考えているからではない。

 本当だ。信じてほしい。どうか軽蔑の目を向けないでほしい。ゴミを見るような冷ややかな視線は、特殊な訓練を受けた紳士たちにとってはご褒美なのかもしれないが、私は極めて軟弱なのだ。せめて生暖かい目にしてほしい。


 女性キャラクターのスリーサイズを設定しているのは、それなりの理由がある。

 率直に書くが、私はヲタクである。

 これといった専門分野はないが、アニメ・漫画・ゲームはそれなりにやってきたと思う。その一環として、学生時代から同人誌文化にどっぷりハマっていた。


 ある時、とある作品の二次創作同人誌を購入した。

 原作では主人公の友人として双子の姉妹が登場するのだが、購入した同人誌はその双子を主役に扱ったものだった。


 仮に、双子の姉をA子、妹をB子とする。

 A子は常識人。ハキハキとしたツッコミ役。

 それに対し、B子はちょっとおっとりした天然風味の優し気な少女だ。


 その同人誌の中で、B子のほうが胸を大きく描かれていた。その旨の台詞があるのだから、製作者にそういう認識があるのは明らかだろう。


 原作はデフォルメ風味の絵柄であり、明確な巨乳キャラはともかく、それ以外は絵面からはなかなか読み取りにくい。加えて、原作はそこまでお色気漫画という内容でもなかったため、作中において体型の詳細な情報も提示されていなかった。

 なので、B子の胸を大きく描いたのは製作者の独断である。が、私もそれで合っていると思っていた。少なくとも原作キャラの雰囲気からすれば、そうだろうなと考えてもおかしくはないと思う。


 しかし後年、原作の最新刊においてB子よりも姉のA子のほうが大きいと公式に明記された。つまり、製作者と私の予想は外れたのである。


 無論、責める気はない。作成当時には解禁されていない情報だったので、読みが外れてもしょうがない。もう一度言うが、原作はそこまでお色気漫画ではないし、絵柄もデフォルメ風味で体型が読み取りにくいのだから。


 が、その同人誌を後から読んだ人は、こう思うだろう。

 ――原作ぐらいちゃんと読めよ、と。


 製作者にそういうコメントがあったかどうかは定かではない。

 だが、もしそういった指摘が寄せられていたのだとしたら、それはさすがに可哀そうだと思った。制作時にはその情報はなかったのだから、不可抗力で片付けてもいいミスだと思う。

 原作には提示されていない、不確実な情報を使ったネタを描くなという話ではあるのだが、同人誌ってそもそもそういうものじゃないか。


 しかし、そういった書き手の都合というのは読み手にはあまり理解してもらえないのが常。なので、私はそういった誤解を生まないよう、自作の女性キャラクターの体型を明確に描写すると心に決めたのである。


 まー、私の作品が二次創作されることはおおよそあり得ないので、はっきり言って杞憂なのだが。

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