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「そこまでってことは疑ってはいるわけか」


「すみませんが、それは許してください」


「許してくださいね。まあ、状況から見ても一番怪しいのは俺だろうな。憎悪を向けられるのは気持ちのいいものじゃないが、真犯人を見つけるまでは我慢しておくよ」


 俺がそう言うと、二人は顔を上げた。次に犯人に心当たりはあるのかと聞いてきた。俺は「ワイルドリッチ」のことを二人に伝え、二人の反応を観察した。すると、緑川も青山も実は俺に謝罪しにきたわけじゃないことがすぐに分かる。二人の目の奥にはまだ赤い炎が輝いているからだ。では、彼らの目的とは何かといったら、俺を探りに来たってことだ。


 そのうち、こいつらは全員が内なる敵になるかもしれない。俺は努めて口に出す情報を厳選することにした。俺がATGの一員になる前からワイルドリッチを追っていること、レッド殺害犯はワイルドリッチだと言うこと。それから、これから何をするのかと、どこへ行くのか。惑星アクーで情報屋を頼り、まずはヒラ殺害組織マドゥームを見つけること。これはあくまでダミー目標だが。


 彼らは次々と質問をしていったわけだが、その中で一つ、気になる質問があった。それは青山が聞いてきたことだ。


 ヒラが死んだ時、何か詳しい手がかりはなかったのか。


                                  続く

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