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 俺はベッド脇の固定端末にヒラの形見を挿入しシオンに渡した。


「プレゼントだ。新しいパズルをやるよ」


「難しいパズルです。ヒントをください」


 挿入してまだ一秒も経ってない。素晴らしいね。全く。


「ヒントは無しだ。ヒラの……。あぁ……死人にくちなし」


「では……恐らく私では不可能でしょう。二日ほど時間をいただきます」


「いいよ。フィボナッチ数列だろうがエニグマだろうがニイタカヤマノボルだろうが好きにやってくれ」


「それは使いません」


 自室を出て艦橋に入るや否や、先客がいて驚いた。肩まで伸びた天然パーマに大きなスクエア型眼鏡、暗めに見えてその実暗い奴、緑川 英彦(グリーン)だ。とその後ろに青山 コウ(ブルー)もいた。二人は俺を見るや軽く会釈をして俺が口を開く前にまず青坊やが言った。


「僕達はあなたをそこまで疑っていません」


「ほう」


「まず、あの時、感情的になってすみませんでした」


 遅れて緑川も謝り二人して首(こうべ)を垂れた。


続く

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