1-25


 よく言えた。お礼に鉛玉をプレゼントしておいた。正直このまま宇宙空間に投げ出してやりたいところだが。「シンジケート・マドゥーム」。今となっちゃ伝説だ。こいつは……ヒラの宿敵だった組織の名前だ。ヒラが若く力強かった頃、ノラに現れた最初のノラ外シンジケートだ。まだレンジャーがなかった頃、つまり、ヒラしかいなかった時代に彼は単身でこの組織を壊滅させている。はずだった。ヒラは自分がかつて潰した組織に殺された。勝ち取った平和に再び同じ闇が覆ったのだ。


 歯噛みをする思いだが、今は先を急ぐ。俺はマドゥームを念頭に、殺した二人が所持していたデータパッドを持って先を急いだ。三番ドックへはなんの問題もなく着いた。どこかで大規模な反乱が起こっているおかげだろう。だが、三番ドッグに着いた瞬間、俺は身を屈め、物陰に隠れることになる。



 ドッグには無数のマドゥーム兵が屯ろしていた。



                                  続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る