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中折れ帽に皺の付いたシャツ、長袖を捲り上げて半袖にし、下には色の褪せたデイリック社製ジーンズ(※)を履いて(俺は絶対腰パンはしない)靴は一等の茶色い革靴の踵に拍車を付けた特注品。二十五年ホルスターにはデジリボルバーを、反対の腰にはアーキテクトウィップを、拾った(、、、)ライフルは背中に掛ける。ああ、自分の服は良く馴染む。
そう、服を取るときに気が付いたが、その下に一枚の紙と昔ながらの鍵型のデータパッドがあった。一枚の紙は真新しい出航許可証で、データパッドはきっとあれだろう。俺は今死体となった彼を見た。
「ありがとうよ」
言って、両方を懐にしまいこの部屋を出た。出た瞬間に鞭を振り回してだ。
鞭に巻かれた奴が苦悶の声を上げ、もう一人は疑問の声を上げた。が、次にはそのもう一人も苦悶の声を漏らして地面に伏した。待ち伏せだ。ただ気配はダダ漏れだったが。
灰色の警備ロボット。その正体は有機体だったわけだ。こいつらは艦長を殺してどこかに言ったのかと思ったが、どうやら帰ってきたようだ。帰って来なけりゃ助かったのに。俺は倒れた警備ロボット(、、、、、、)の頭にデジリボルバーを押し付けて引き金を引き、鞭で縛り上げているもう一人に聞いた。
「お前らどこのモンだ?」
答えなかったから縛りを強くした。それでも答えなかったから、銃を頭に押し付けた。すると、やっと答えた。
「我らはマドゥーム。シンジケート・マドゥーム」
続く
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