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 新しい出向許可証と、何よりワイルドリッチの情報が必要だった。艦長はどっちも持ってるし、前者はなくても発行できる。できないなら一緒に連れて行けばいい。階段を上がって艦長の部屋へ行き、そのドアを開けた。


 すると、そこにあるのはなんとおいたわしい。一人の老人が机の前に突っ伏して倒れていた。この船の艦長だった平井 一豊。あのヒラだった。


 なんてこった。彼とは二十年来の付き合いがある友達だった。奴の危機を救ったこともあったし、今こうして救われることもあった。彼が若い時に着てた銀色に所々赤白点滅するあの強化スーツが懐かしい。俺たちは仲が良く、決して互いを裏切らなかった。俺の目には涙が溜まったが、それどころじゃないのだ。俺は心に浮かぶ感情を全力で無視した。奴の机の引き出しを引いたり、棚の中身を調べ尽くした。


 で、左の棚の上から三番目に、俺の銃と鞭、それから服があった。


                                  続く

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