1-18
さて、寝て、待って、十時になった。時計も無いのにどうして分かるのか。ここらの牢獄はコの字に配置されていて、俺の牢屋は丁度コの字の真ん中に、下から数えて五つ目の場所にある。そして、俺の向かいは牢屋ではなく壁になっているわけだがその壁にはなんと時計が付いてる。昔ながらの歯車式で長針短針で時間を知らせるあのタイプだ。だが、午前か午後かは分からない。ここの外は宇宙だ。『見えない光線』が切れているかは分からなかった。そこで俺はベッドのシーツを牢屋の外に放り投げた。すると、そいつらは焼き切れてはいない様だった。それで俺も外に出たわけだが、良くも悪くもここは犯罪者どもの目から目立つ位置だった。
あいつ外に出たぞ。俺たちも出れるかもしれない。大声でこんなことを言われちゃあな。次の瞬間には蛸の活け造りとワニのスライスステーキ、それからハムができていた。
それらを見た連中はまぁたじろき、次には俺への羨望と罵倒をまた大声で繰り広げ始めた。その大声ったら最悪で満員の野球場で且つ熱狂していてもこれほどの騒ぎにはならないだろう。頭(とう)に煩いを通り過ぎ、ヨシキリ中に響いているかもしれない。機械警護兵団と複数のレンジャーに裸一貫で戦える奴がいるだろうか? まずいない。
こいつらを黙らせなきゃいけないだろう。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます