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何にも思いつかなかった。だって食事を運んでくるのは有機物を粘土質の塊に変えちまう緑の銃をを持った機械だし、この牢には俺の体が通るほどの穴が無いし、合金の壁はプラスチックのスプーンじゃ掘れない。『アンリミテッド』を使えばこんな牢獄はさっさとぶち壊せるが、どうもっても五秒なんだ。五秒たったら俺は気絶し、その間に違う牢屋に移送される。今度はT-1000だろうな。奇想天外な方策を取れたかもしれないが、兎も角俺のお豆腐ではこれが限界だった。
ただ目を閉じてベッドに寝っ転がっているとカツカツカツカツ野郎が来た。紫の御召し物に金ピカのバッジを胸に着けた男、ヒラだ。顔までスッポリと隠す灰色のレンジャーを二人引き連れ、俺の牢屋の前まで来た。
んで、開口一番に「気分はどうかな?」だ。鉄格子だったら掴んで叫んでたね。このクソ野郎。「少なくとも飯は臭く無いな。あんたも入るか?」俺が聞いたら奴は首を横に振って言った。
「聞いてほしい。私は君がフォーミラレッドを殺したとは考えていない」
続く
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