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それで俺は窓の無い医務室から窓の無い牢獄に移送された。ああ、なが……。すまない。まだ録音は続く。因みにこの監獄には別室とはいえ極悪危険宇宙人兼犯罪者が大量にいる。そしてその内の六人は俺に唾を吐き罵声を浴びせた。その六人てえのは俺が捕まえた連中だった。名前は知らない。言われても覚えてない。
俺の監獄はT−八〇〇だった。聞いたか? 間違いじゃ無いぞ。未来から殺し屋が来そうな部屋で今にも殺しにかかりそうな囚人たちに囲まれて生活する羽目になったんだ。一体どうして? 簡単なことだ。俺は誰かに嵌められた。恐らくワイルドリッチのクソ野郎に。奴は土を集めて人形を作る。つまりある程度土を操作可能ってことだ。つまり……そういうことだな。
俺はボロボロのベッドに横になり考えた。俺はこの後どうなるのか。死刑ってことはないだろうが……いや、レンジャー殺害だ。銀河の只中に放流されるか普通に撃ち殺されるかだろう。だから冤罪を晴らすためにも、生き延びるためにもここを出て行かなきゃいけない。脱獄はある意味でロマンだが、リアリストにとっちゃ絶望の淵だ。
だが、幸いなことに俺はどっちでもない。
続く
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