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平井はレンジャーの総司令官とは思えないほど、その通称の全てに弱腰、腰が低い、好々爺が入って然るべき男だった。しかも、最近はそれを気にしてやたらと格好つけようとする癖がある。それは成功しているかといえば、まあ、彼が傷つく場合がかなり多かった。
奴と友達でよかった。今思えばここぐらいしかそう思わなかっただろう。銃を向けていた四人の顔には驚愕の表情が、一方、俺は満面の笑みを浮かべていた。
「ヒラ! いいところに入ってきた! さあ、もう俺に銃を向けないでくれ。あぁ船体に穴を開けたいならどうぞあっちの壁に撃ってくれ」
雑に四人を追い払い、俺は平井、ヒラと熱い抱擁を交わした。四人の目はまだ俺に対する憎悪が消えてないようで、しかも一人は命令違反を犯す気満々で瞳の奥に熱い炎が滾っている。
体が冷えるままにヒラとの抱擁を解き、俺は自分が一体どういう勘違いを起こされているかを問い質した。すると、その答えは今まで聞いた中でも最悪の答えだった。
続く
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